■ようこそ、IFRS教室へ■
~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その14~

日本電波工業が国内ではじめてIFRSで決算書を提出するなど、いよいよ本格的な動き出した上場企業のIFRS対応。そこで本シリーズでは、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRS対策のポイントを、分かりやすく解説しています。
さて、本シリーズも今回で最終回です。最終回は、「業績管理や内部管理の資料もIFRSになるのか」という誤解ポイントに関して解説します。

●(11)業績管理や内部管理の資料もIFRSになるのか●

【誤解】企業内部の業績管理や内部管理の資料もIFRSで作成しなければならない。

【実際】企業内部の業績管理や内部管理の資料までは、IFRSで作成することを強制されておらず、企業の独自の方法で作成すればよい。

◎理解ポイント(1)
IFRSが適用されるのは、あくまでも連結財務諸表です。企業内部の業績管理や内部管理の資料は、従来通り自由に作成できます。例えば営業セクションで活用されるシステムまで、IFRSに対応させる必要はありません。

◎理解ポイント(2)
ただし、本社と連結子会社の作成方法などは明確なルールを作成し、統一化する必要があるでしょう。実質的に本社と子会社の間で、内部統制の「格差」が生じている場合、早急に取り組む必要があると考えられます。マーケットでの信頼性を維持するためにも、やはり連結対象となるグループ小会社に対する、ガバナンス強化に傾注すべきでしょう。

いかがでしょうか。IFRS対応のポイントをご理解いただけたでしょうか。
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次回から、新シリーズをお届けします。

9月 30, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その13~

日本電波工業が国内ではじめてIFRSで決算書を提出するなど、いよいよ本格的な動き出した上場企業のIFRS対応。そこで本シリーズでは、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRS対策のポイントを、分かりやすく解説しています。
さて、今回は、「これまでとは全く異なる内部統制を新たに整備しなければならないのか 」に関して解説します。

●(10)これまでとは全く異なる内部統制を新たに整備しなければならないのか●

【誤解】IFRSになると、これまでとは全く異なる内部統制を新たに整備しなければならない。

【実際】IFRSになったからといって、内部統制を全面的に見直す必要はない。

◎理解ポイント(1)
内部統制報告書制度の2年目、2010年3月期決算において内部統制報告書を提出した企業数は約2,600社。その内、「内部統制に重要な欠陥があり、有効ではない」と開示したのはわずか22社で、1%以下です。制度1年目と比較して、大幅に減少しています。現在、3月期決算の上場企業の99%以上が、現在の内部統制システムが有効的であるとしています。
言い換えれば、99%の上場企業の決算・財務報告プロセスでは不正は起きず、すでに適正な財務諸表が作成される体制が確立されていると考えられます。金融庁の判断としては、IFRSを適用するための微調整で十分に対応できると判断したと考えられます。内部統制に関して、抜本的な再構築は必要ありません。

◎理解ポイント(2)
しかし、その一方で、これまで内部統制報告書の提出後に、連結子会社などの不正会計などが発覚し、改めて重要な欠陥を認めたケースも多数発生しています。日本の上場企業は、今後IFRS適用によって世界の投資マネーがマーケットに流入し、より多くの事業資金が調整できるようになるでしょう。世界における日本企業の信頼性確保のためにも、連結子会社までを網羅した、不正を未然に防止できる厳格な内部統制システムの確立が不可欠であることは言うまでもありません。

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9月 15, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その12~

金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRS対策のポイントを、分かりやすく解説している本シリーズ。
さて、シリーズ12回目の今回は、「監査は大手監査法人でないとできない」という誤解ポイントに関して解説します。

●(9)監査は大手監査法人でないとできない●

【誤解】IFRSになると、監査上の判断について日本国内だけではできないため、国際的な提携をしている大手監査法人でないと監査ができない。

【実際】IFRSになっても、監査上の判断については、日本の法令や監査基準に基づいて我が国の監査人が行うものであり、国際的な提携をしている大手監査法人でなければ監査ができないということはない。

◎理解ポイント(1)
上場企業の監査を数多く手がけてる大手監査法人は、ほとんどが海外の監査法人と業務提携を結んでいます。その国際的なネットワークが、IFRS対応でプラスに働くことは容易に想像できます。しかし、誤解ポイント(8)でも指摘されている通り、日本の監査基準は国際監査基準と大差ありません。必ずしも大手である必要はありません。

◎理解ポイント(2)
しかし、IFRS対応が必要になる企業が 注目すべきは監査法人だけではありません。IFRS対策を通して、企業サイドがTCO削減を目指すために絶対不可欠なのが、社内に専任スタッフを育成することです。
その重要性は、 J-SOX対応を振り返ってみれば、一目瞭然です。日本公認会計士協会から公表された「内部統制監査に関する実態調査」で、「内部統制報告制度の2年目を迎えるに当たって、内部統制監査を実施する上で経営者に特に要望する事項はありますか。」という質問に対して、「社員のスキルアップや意識向上を要望する」という記述回答が数多く寄せられました。
J-SOX対応1年目、2年目で、多くの上場企業が監査コスト上昇で頭を悩ませた要因の一つに、社内に専任スタッフがいなかった(≒育たなかった、不足していた)という苦しい状況がありました。IFRS開始まで、まだ時間が残されています。先見性を持ち、社内に専任スタッフを養成することで、監査業務の肥大化の防止と、TCO削減を目指してください。

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次回も引き続き、『金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目』をお届けします。

9月 8, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その11~

金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRS対策のポイントを、分かりやすく解説している本シリーズ。
さて、シリーズ11回目の今回は、「監査は国際監査基準で行う必要があるのか」という誤解ポイントに関して解説します。

●(8)監査は国際監査基準で行う必要があるのか●

【誤解】IFRSになると、監査も国際監査基準(ISA)に基づいて行わなければならない。


【実際】IFRSになっても、我が国の企業は、日本の監査基準に従って監査を受けることになる。

◎理解ポイント(1)
日本の監査基準は、国際監査基準と整合性が取られています。すでに、その内容はISAと大差ありません。日本の監査基準をベースに監査を受ければ、問題ありません。

◎理解ポイント(2)
今後の動向としても、IFRS開始に合わせて同時に新たな監査基準が導入される可能性も低いと考えられます。

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9月 1, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その10~

もっと分かりやすくIFRSの対策ポイントを解説してほしい…そんな声にお答えして、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、各ポイントを解説している本シリーズ。
さて、シリーズ10回目の今回は、「財務諸表は英語でも作成する必要があるのか」という誤解ポイントに関して解説します。

●(7)財務諸表は英語でも作成する必要があるのか●

【誤解】IFRSになると、財務諸表は、日本語だけでなく英語でも作成しなければならない。

【実際】IFRSになっても、我が国の企業の財務諸表は、英語で作成する必要はない。

◎理解ポイント(1)
(6)と(7)の実際を合わせると、日本語版IFRSをベースに、日本語で連結財務諸表を作成すればよい、ということになります。上場企業の負担コストを最小限にするための、金融庁の配慮を感じます。
しかし、国内市場の縮小を受けて、より多くの日本企業が、将来的に海外に商機を求めざるを得ない状況になることも考えられます。今後、市場を活用して積極的に事業資金を調達したい日本企業は、英語版での作成も視野に入れておくべきでしょう。

◎理解ポイント(2)
IFRS対応によって、より多くの日本企業に、海外上場会社との資本提携、海外投資銀行との業務協力関係強化などのチャンスが生まれるでしょう。しかし、その「現場」では英語版のIFRSベースの連結財務諸表が必要になります。そのためにも、まずは日本語版での作成でIFRS順応性を高め、英語版作成ニーズにもスムーズに適応できる体制を徐々に整えていくという、中長期ロードマップを想定しておくことも重要でしょう。

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8月 25, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その9~

もっと分かりやすくIFRSの対策ポイントを解説してほしい…そんな声にお答えして、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、各ポイントを解説している本シリーズ。
さて、9回目の今回は、「英語版IFRSを参照する必要があるのか」という誤解ポイントに関して解説します。

●(6)英語版IFRSを参照する必要があるのか●

【誤解】IFRSになると、英語で作成された原典を参照して作成しなければならず、日本語翻訳版に従って連結財務諸表を作成することはできない。

【実際】日本語翻訳版を参照して連結財務諸表を作成できる。

◎理解ポイント(1)
現在、日本語版で入手可能なのは、「IFRS2009」。もちろん、IASCF(国際会計基準委員会財団)公認本です。この日本語版をベースに、連結財務諸表の作成は可能です。しかし実状としては、IASB(IFRSに関する国際会計基準審議会)は、今年1月に「IFRS2010」をすでにリリースしています。日本語版の内容は、実のところ1年間の内容的な遅れがあることを、あらかじめ理解しておくことも重要です。

◎理解ポイント(2)
IFRSは、1月にIFRS2010をリリースした後も、積極的に改訂が進められています。

■2010年5月に年次改善による改訂公表■
※IFRS第1号(国際財務報告基準の初度適用)
※IFRS第3号(企業結合)
※IFRS第7号(金融商品:開示)

日本語版のIFRS2009では、もちろん上記の部分はフォローされていません。現段階で強制適用初年度として想定されるのが、2015年。より多くの部分で、改訂が行われるのは確実です。そのためにも、まずは日本語版2009で基準を把握し、最新版の差分も継続的にアップデートしていくことが重要でしょう。

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8月 18, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その8~

2015年以降の強制適用が、ますます現実味を帯びてきたIFRS。そこで本シリーズでは、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRS対策のポイントを分かりやすく解説しています。
さて、8回目の今回は、「監査人の対応が厳しくなるのではないか」の誤解ポイントに関して解説します。

●(5)監査人の対応が厳しくなるのではないか●

【誤解】IFRSになると、プリンシプル・ベース(原則主義)になるので、監査人の言うとおりにしなければ監査意見をもらえなくなる。

【実際】IFRSになったからといって、監査人の対応が厳しくなるわけではない。

◎理解ポイント(1)
内部統制報告制度には、「内部統制監査報告書」という重要な報告書があります。同報告書は、企業側が作成した内部統制報告書に対して、監査人(≒監査法人)が実際に監査を行うものです。つまり、まず経営者自ら、自社の内部統制システムの整備状況や有効性を評価することが要求されます。内部統制報告制度を通して、まず経営者自身が評価するプロセスが根付いていれば、果たして、このような問題が出ていたでしょうか…。
この(5)が出てきた背景に、「内部統制監査報告書を得るために、内部統制システムがある」という実状を強く感じます。IFRS時代に要求されるのは、マニュアル主義の経営者やシステム管理者ではなく、主体性のある経営者とシステム管理者なのです。

◎理解ポイント(2)
IFRSの導入過程は、多くの上場企業にとって、監査法人との関係と距離感を改めて考える絶好のチャンスとなるはずです。企業側が主体的に、IFRSに基づく健全な財務諸表を作成できる体制を整備することが求められています。そして監査人(≒監査法人)に対して、まず経営者自ら説明することが重要です。内部統制報告制度が導入された際、多くの企業が監査法人への依存体質を強め、結果として監査費用が経営を圧迫するまでにいたってしまいました。IFRS対策を通して、実は監査費用の大幅削減さえ可能です。そのためにも、中長期的視点でのIFRSへの取り組みが不可欠です。

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8月 4, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その7~

2015年以降の強制適用が、ますます現実味を帯びてきたIFRS。そこで本シリーズでは、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRS対策のポイントを分かりやすく解説しています。
さて、7回目の今回は、「社内の人材のみではIFRSに対応できないのではないか」という誤解ポイントに関して解説します。

●(4)社内の人材のみでは、IFRSに対応できないのではないか●

【誤解】IFRSはプリンシプル・ベース(原則主義)なので、適切な処理の検討について、社内の人材のみでは対応できず、必ずコンサルタントなどに依頼しなければならない。

【実際】プリンシプル・ベースだからといって、コンサルタントなどの外部専門家に依頼しなければならないということはない。

◎理解ポイント(1)
内部統制報告制度導入時、多くの上場企業が外部のコンサルティング会社やコンサルタントを起用しました。結果、大半の企業が急激なコストアップに苦しみました。
全ての上場企業には、この期間を有効活用して、中長期的視点で社内にIFRSに対応できる人材を育成することが重要です。金融庁が、IFRS強制適用の是非を判断するのは2012年。強制適用は、最短でも2015年からの予定です。この準備期間を有効活用してください。

◎理解ポイント(2)
昨年、日本公認会計士協会から公表された「平成21年3月期の内部統制監査に関するアンケート調査結果」の中で、次年度の内部統制監査の効率化に関する質問で最も多かった回答が、「内部監査人等の評価作業を積極的に利用することにより、効率性を改善したいと考えている」でした。ここにも、IFRS対策の一つのヒントがあります。中長期的にIFRS関連コストを削減するためには、やはり社内に専門家を配備することが欠かせないことが分かります。経理部、財務部、経営企画部、監査部、そしてシステム管理部、部署の垣根を越えた専門家集団の育成が重要です。外部への依存性が低下し、監査費用を含めた総合的なIFRS関連コストも確実に削減できます。

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7月 29, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その6~

IFRS対策のポイントを、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、分かりやすく解説している本シリーズ。さて、6回目の今回は、「IFRSになると、ITシステムを含め、業務プロセス全般について全面的に見直さなければならない 」という誤解ポイントに関して(後編)です。

●(3)全面的なITシステムの見直しが必要か●

【誤解】IFRSになると、ITシステムを含め、業務プロセス全般について全面的に見直さなければならない。

【実際】既存のシステムの全面的な見直しは、必ずしも必要ではない。

◎理解ポイント(3)
ただ、実態として気になるのが、連結財務諸表に関係する「グループ子会社」の内部統制です。これまで多くの上場企業では、子会社の内部統制は子会社に任せるという方針が見られました。しかし、その裏で、子会社で粉飾決済が行われ、結果として上場企業の連結決算に粉飾決済が発生してしまった事件がこの1年間で続発しています。

◎JVC・ケンウッド・ホールディングス:日本ビクターの海外販売会社で不正会計
◎近畿日本鉄道:広告代理会社のメディアートで不正会計
◎エフオーアイ:100億円規模で粉飾決算して東証マザーズに上場

こうした点からも、上場企業(親会社)だけでなく、子会社を含めた内部統制の実効性が改めて問われています。

◎理解ポイント(4)
残念ながら、粉飾決算が発覚した上場企業は、いずれも決算時に内部統制報告書と内部統制監査報告書で、課題は表記されていません。監査法人も不正は無いと意見を表明しています。
これらを通して改めて感じるのは、監査法人への依存体質から脱却し、上場企業が主体的に取り組むことの重要性です。全ての上場企業が、これまで以上にグループ全域に対するガバナンス強化に積極的に取り組む必要があります。経営者だけでなく、実務を担当するシステム管理者が果たすべき責務も、ますます大きくなっていくと考えられます。

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7月 21, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その5~

IFRS対策のポイントを、金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、分かりやすく解説している本シリーズ。さて、5回目の今回は、「IFRSになると、ITシステムを含め、業務プロセス全般について全面的に見直さなければならない 」という誤解ポイントに関して(前編)です。

●(3)全面的なITシステムの見直しが必要か●

【誤解】IFRSになると、ITシステムを含め、業務プロセス全般について全面的に見直さなければならない。

【実際】既存のシステムの全面的な見直しは、必ずしも必要ではない。

◎理解ポイント(1)
現在、全ての上場企業に「内部統制」が義務化されています。この内部統制の整備プロセスで、ITシステムに関しても、業務プロセス全般に関してもリスクが可視化され、十分なリスク管理が行われてるはずだ…というのが、金融庁のスタンスでしょう。そのため、IFRS対応のプロセスで全面的に見直す必要はないという意味だと考えられます。

◎理解ポイント(2)
事実、上場企業は毎年「内部統制報告書」と、監査法人による「内部統制監査報告書」を提出しています。特に、内部統制に関して重要な欠陥が指摘されているのは、ごく稀です。J-SOX初年度、内部統制報告書を提出した3783社の内、重要な欠陥を開示したのは100社。全体の3%です。この数字から見ても、上場企業の内部統制は全体として機能していると判断し、必要な部分を改修すればよい、という判断にいたったと考えられます。

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7月 14, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その4~

金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRSのポイントを、さらに分かりやすく解説している本シリーズ。さて、4回目の今回は、「上場会社は直ちにIFRSが適用される」という誤解ポイントの後編です。

●(2)非上場の会社(中小企業など)にもIFRSは適用されるのか●

【誤解】非上場の会社(中小企業など)であっても、IFRSを適用しなければならなくなる。

【実際】非上場の会社はIFRSを適用する必要はない。

◎理解ポイント(3)
基本的に中小企業にIFRSの強制適用はありませんが、上場企業の「連結子会社」の場合は、事情が異なります。「連結財務諸表」に組み込まれているため、上場企業は連結子会社を含めたグループ全体でIFRS対応が必要になります。財務・会計システムの統一化、リスクマネジメントとしての内部統制システムの強化など、グループ全社で取り組む必要があります。
2012年段階での金融庁の判断を待ってからのスタートでは、わずか実質2年程度で、グループ全体で整備を完了するのは至難のワザです。連結子会社の場合は、綿密なスケジューリングをベースに、しっかりとした準備作業が必要になります。

◎理解ポイント(4)
連結子会社のIT環境を100%把握できている上場企業(親会社)は、実のところ本当にごくわずかではないでしょうか。IFRS対応の過程では、子会社のIT環境を正確し、リスクの棚卸を行い「可視化」することも極めて重要なステップとなります。
実際、連結子会社では内部統制が稼働しておらず、結果として上場企業の粉飾決算に発展してしまったケースが近年多発しています。今回を好機に、子会社の実態を正確に把握することをおすすめします。

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7月 7, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

■ようこそ、IFRS教室へ■
~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その3~

金融庁からリリースされた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」をベースに、IFRSのポイントを、さらに分かりやすく解説している本シリーズ。さて、3回目の今回は、「上場会社は直ちにIFRSが適用される」という誤解ポイントに関してです。

●(2)非上場の会社(中小企業など)にもIFRSは適用されるのか●

【誤解】非上場の会社(中小企業など)であっても、IFRSを適用しなければならなくなる。

【実際】非上場の会社はIFRSを適用する必要はない。

◎理解ポイント(1)
IFRSの適用は、「上場企業の連結財務諸表」に限定されています。さらに、2010年3月期からの任意適用は、その中でも国際的な財務・事業活動を行う企業に限定されています。
しかし、本シリーズ(1)で解説した通り、2012年の段階で金融庁が全面適用を判断した場合は、2015年度からの適用開始が予定されています。国内市場限定で事業展開している上場企業も、決して安泰ではありません。

◎理解ポイント(2)
事業資金を市場から集めていない、つまり株式を上場していない一般的な中小企業のIFRS適用はありません。全ての上場企業で強制適用となった後も、金融庁は中小企業に対するIFRSの強制適用は、想定していません。

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6月 30, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

■ようこそ、IFRS教室へ■
~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その2~

さる4月23日、金融庁からついに「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」がリリースされました。同資料の表紙でも、「IFRSに関して、誤解を招く情報が流布されているとの指摘がある」と発表の経緯が明記されている通り、現場では、IFRS対応を巡って相当混乱が生じています。
そこで、「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目し、IFRSのポイントを分かりやすく解説していきたいと思います。
2回目の今回は、「上場会社は直ちにIFRSが適用される」という誤解ポイントの続きです。

●(1)上場会社は直ちにIFRSが適用される●

【誤解】上場会社には、直ちにIFRSが適用されるので、大至急準備をしなければならない。

【実際】2010年3月期から、一定の要件を満たす上場企業の連結財務諸表について、IFRSを任意に適用できるようになったもの。

◎理解ポイント(3)
上場企業の強制適用は、最短で2015年度から。つまり、2015年度の開始までに、強制適用を見据えて現在の準備期間を活用する必要があります。

◎理解ポイント(4)
システム管理者など現場が理解すべき、IFRSとJ-SOXの一つの大きな違いは、IFRSを策定しているのが金融庁ではなく、IASB(国際会計基準審議会)である点です。
「国際」会計基準のため、金融庁によるローカライズが、基本的には難しい会計基準です。日本用にカスタマイズされたJ-SOXと違い、大量のガイドラインがリリースされる可能性は低いと考えるべきです。
そのため、経営者だけでなく、システム管理者にも、「主体性」が要求されます。ガイドラインや監査法人に依存した対応業務の進め方ではなく、IFRSの強制適用に向けて本当に必要な作業を正しく判断することが重要です。
システム管理者の主体性が、今後のIFRS対策コストの最小化の大きなポイントとなります。

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6月 24, 2010 ■ようこそ、IFRS教室へ■ |

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~金融庁「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目 その1~

さる4月23日、金融庁からついに「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」がリリースされました。同資料の表紙でも、「IFRSに関して、誤解を招く情報が流布されているとの指摘がある」と発表の経緯が明記されている通り、現場では、IFRS対応を巡って相当混乱が生じています。
そこで、「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」に着目し、IFRSのポイントを分かりやすく解説していきたいと思います。
1回目の今回は、「上場会社は直ちにIFRSが適用される」という誤解ポイントに関してです。

●(1)上場会社は直ちにIFRSが適用される●

【誤解】上場会社には、直ちにIFRSが適用されるので、大至急準備をしなければならない。

【実際】2010年3月期から、一定の要件を満たす上場企業の連結財務諸表について、IFRSを任意に適用できるようになったもの。

◎理解ポイント(1)
現段階では、強制適用されていません。任意です。今後の動向としては、2012年の時点で上場企業の連結財務諸表への強制適用の是非を判断することになっています。

◎理解ポイント(2)
2012年に強制適用が判断された場合、3年程度の準備期間を経て、全ての上場企業に連結財務諸表のIFRS適用が義務化されることになります。

いかがでしょうか。IFRS対応のポイントをご理解いただけたでしょうか。
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