■電気料金、大幅値上げへ!!■
~電気料金制度改正の動向 その4~

この4月から大幅値上げとなる、電気料金。しかし、その一方で電気料金制度改正に向けて、議論も進められています。同制度改正によって、今回の値上げ幅が固定化されるだけでなく、一層値上げされる可能性も考えられます。制度改正は東京電力の電気料金だけでなく、大手電力各社の電気料金に影響を及ぼします。そこで本シリーズ最後となる今回は、2月3日に公開された「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書(案)」の気になるポイントに引き続き着目したいと思います。

◎電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書(案)

今回注目する報告書は、資源エネルギー庁(経済産業省)が設置した経済産業省電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議によってまとめられました。同報告書の内容が、今後の電気料金制度の改正に向けた骨子になる可能性が高いと考えられます。報告書は、2012年2月3日の第5回会議で報告書(案)として提示されました。

※同会議の配布資料や議事要旨などは、以下のURLで確認できます。
電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書(案)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/denkiryoukin/005_haifu.html

■ポイント(2)原価算定期間
一般電気事業者の料金改定が概ね2年ごとに実施されてきたこと、一般的な企業の中期経営計画が3年であること等を踏まえ、認可時については3年を原則。届出時は、自主的な経営効率化努力を料金に迅速に反映する観点から、より柔軟に設定。

■電気料金への影響■
電気料金の算定根拠となる原価。この原価を算定するための期間が延長されました。3年間と長期間です。気になるのは、今後この3年が適用された場合、現在の火力発電所の稼動率が高い状況下で、原価が算定される可能性が高いと考えられます。原価の上昇は、電気料金の値上げに直結します。


■ポイント(3)電源構成変動への対応

原価算定期間の複数年化を踏まえ、原価算定期間内に電源構成が原子力発電の稼働状況等により大きく変動した場合には、料金値上げの認可を経ていることを条件に電源構成による原価の変動分のみを料金に反映させる改定を認める。

■電気料金への影響■
やはり、発電比率の変更にあわせて電気料金の値上げを申請できる制度が導入される模様です。今後、原子力発電所の再稼動が無く、火力発電所への依存率がさらに高まれば、燃料費の増加分がそのままダイレクトに電気料金に反映されることになります。さらなる値上げの可能性が高まりました。

いかがでしょうか。電気料金制度改正の背景を、ご理解いただけたでしょうか。
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次回から新シリーズがスタートします。ご期待ください。

2月 22, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~電気料金制度改正の動向 その3~

この4月から大幅値上げとなる、電気料金。しかし、その一方で電気料金制度改正に向けて、議論も進められています。同制度改正によって、今回の値上げ幅が固定化されるだけでなく、一層値上げされる可能性も考えられます。制度改正は東京電力の電気料金だけでなく、大手電力各社の電気料金に影響を及ぼします。そこで今回は、2月3日に公開された「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書(案)」の気になるポイントに着目したいと思います。

◎電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書(案)

今回注目する報告書は、資源エネルギー庁(経済産業省)が設置した経済産業省電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議によってまとめられました。同報告書の内容が、今後の電気料金制度の改正に向けた骨子になる可能性が高いと考えられます。報告書は、2012年2月3日の第5回会議で報告書(案)として提示されました。

※同会議の配布資料や議事要旨などは、以下のURLで確認できます。
電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書(案)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/denkiryoukin/005_haifu.html

◎有識者会議報告書(案)の気になるポイント

■ポイント(1)事業報酬率

震災後の状況を勘案しつつ、過大な利益が生じないよう、一方、資金調達に支障が生じないよう、公正報酬といった観点から、適正な事業経営リスクを見極めた上で設定。

■電気料金への影響■
東京電力が今後負担しなければならないコストは3つあります。1つは、火力発電用の燃料費。次に、福島第一原子力発電所の廃炉費用。そして、賠償費用の3つです。震災前と比較できないほど、経営は急激に高コスト化しています。また、高コスト経営が長期間続くことも確実です。こうした状況下で円滑に資金調達するためには、電気料金の値上げは避けて通れません。4月の値上げは、「序の口」と言っても過言ではないでしょう。

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次回はポイント(2)と(3)を解説します。

2月 16, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~電気料金制度改正の動向 その2~

この4月から、工場やオフィスビルなど企業を対象に電気料金が大幅に値上げされます。しかし、この先もさらなる大幅値上げの可能性が考えられます。そこで今回は、前回に引き続き、値上げへのハードルを下げることにもつながる電気料金制度改正の動向について2つ目のポイントを解説します。

◎東京電力に関する経営・財務調査委員会の報告書で指摘された問題点

同調査委員会の報告書では、現在の電気料金制度に関して具体的に以下の内容が指摘されています。

※同調査委員会の報告書は、以下のURLで確認できます。
東京電力に関する経営・財務調査委員会
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html

6.1.3 現行料金制度とその運用の問題点と見直しの方向性
(3)電源構成の不確実性への配慮
1. 電源構成に占める原子力発電の扱い
原子力発電所が停止を余儀なくされる事態が近年頻発していること、また原子力発電所の再稼働が不確実な情勢であることを踏まえ、原子力発電所の停止等による電源構成の変動に伴う燃料費等の影響について、料金に適切に反映できるよう配慮した制度設計とすべきではないか

◎ポイント(2)
原子力発電所の稼動停止による燃料調達コスト増大は、東京電力だけの課題ではありません。同電力統計で、原子力発電での比率が高い会社に着目すると以下のようになります。

※四国電力:46%
※関西電力:36%
※九州電力:32%
※東京電力:29%

四国電力、関西電力、九州電力の3社は東京電力以上に原子力発電への依存率が高く、停止した場合、比率では東京電力の以上の火力発電所の稼動が必要になります。燃料調達コストの増加は、東京電力以上かもしれません。
こうした点を踏まえて、構成比の急激な変化を電気料金に反映できる、つまり値上げできる制度改正が必要ではないかと報告書で指摘されているわけです。

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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

2月 8, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~電気料金制度改正の動向 その1~

この4月から、工場やオフィスビルなど企業を対象に電気料金が大幅に値上げされます。しかし、この先もさらなる大幅値上げの可能性が考えられます。そこで今回は、値上げへのハードルを下げることにもつながる電気料金制度改正の動向を、2回に分けて解説したいと思います。

◎電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議

昨年の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」の報告書で、電気料金制度とその運用についての問題点が指摘されました。この指摘を受けて改善点を見出すために、資源エネルギー庁(経済産業省)が設置した有識者会議です。

※同会議の配布資料や議事要旨などは、以下のURLで確認できます。
電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議(第1回)議事要旨
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/denkiryoukin/001_giji.html

◎東京電力に関する経営・財務調査委員会の報告書で指摘された問題点

同調査委員会の報告書では、現在の電気料金制度に関して具体的に以下の内容が指摘されています。

※同調査委員会の報告書は、以下のURLで確認できます。
東京電力に関する経営・財務調査委員会
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html

6.1.3 現行料金制度とその運用の問題点と見直しの方向性
(3)電源構成の不確実性への配慮
1. 電源構成に占める原子力発電の扱い
原子力発電所が停止を余儀なくされる事態が近年頻発していること、また原子力発電所の再稼働が不確実な情勢であることを踏まえ、原子力発電所の停止等による電源構成の変動に伴う燃料費等の影響について、料金に適切に反映できるよう配慮した制度設計とすべきではないか

◎ポイント(1)
現在の東京電力の供給体制は、原子力発電所の停止分を火力発電所の稼働率を高めることで補われています。電源構成は、原子力発電所の比率が下がり、昨年の同時期と比較して大きく異なっていることが推測できます。資源エネルギー庁の電力統計で、電力10社全体の発電構成比は以下の通りとなっています。

※水力発電:25%
※火力発電:49%
※原子力発電:26%

昨年のような事態を受けて、現在はこの構成比が大きく変化していると考えられます。さらに1月25日、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所5号機も発電を停止しました。今後ますます火力発電への依存率が高まることが確実です。こうして構成比が急激に変化したことで、燃料の調達コストも急激に増加していきます。

※資源エネルギー庁(経済産業省)電力統計
http://www.enecho.meti.go.jp/info/statistics/denryoku/result-2.htm

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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

2月 2, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~火力発電所の稼働率増加 その2~

すでに報道されている通り、さる12月22日に、東京電力は工場やオフィスビルなど企業向けの電気料金を、来年4月以降に値上げする方針を打ち出しました。電気料金は、いよいよ本格的に値上げ段階に突入しました。しかし、今後もさらなる大幅値上げの可能性を否定できません。今回も引き続き「火力発電所の稼働率増加」に着目し、値上げの可能性を解説します。

◎2012年に全原発が停止

2012年1月13日から、四国電力の伊方原発2号機が定期検査で運転停止になります。国内で稼動中の原子力発電所は、残りわずか5基。これら5基も4月から定期検査に入るため、国内の全ての原子力発電所が停止し、稼働率がゼロになる可能性があります。
これによって2012年、日本中で昨年以上に火力発電所が稼動することになります。各社のLNG、原油、重油の調達量も、ますます高まることが予想されます。火力発電所の高い稼働率が続く限り、電気料金が元に戻ることはあり得ないと言っても過言ではありません。

◎懸念される、CO2排出量

火力発電所の稼働率上昇によって懸念されるもう一つの課題が、発電段階におけるCO2排出量です。原子力発電によって、ある程度抑えられていた日本のCO2排出量は、確実に急上昇することになります。近い将来、膨大な排出権購入コスト、新たな発電所の建設コストなど、東京電力はさらに大きなコスト負担を負わざるを得ません。それらも今後、確実に電気料金に反映されることになるでしょう。2012年の20%値上げは、はじまりに過ぎない可能性があるのです。

いかがでしょうか。火力発電所の稼働率増加のポイントを、ご理解いただけたでしょうか。なお、クオリティソフトでは、今後のエネルギーコスト対策に最適なソリューションを豊富にご用意しています。
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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

1月 25, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~火力発電所の稼働率増加 その1~

すでに報道されている通り、さる12月22日に、東京電力は工場やオフィスビルなど企業向けの電気料金を、来年4月以降に値上げする方針を打ち出しました。電気料金は、いよいよ本格的に値上げ段階に突入しました。しかし、今後もさらなる大幅値上げの可能性を否定できません。今回は「火力発電所の稼働率増加」に着目し、値上げの可能性を解説します。

◎20%の値上げ

昨年12月22日の会見で、東京電力は工場やオフィスビルなど企業向け電気料金を20%の電気料金値上げ申請を検討中であることを発表しました。さらに、家庭向け電気料金に関しても同じく、20%の値上げを検討中であることも発表されました。シリーズ前半でピックアップした、第三者委員会が行ったシミュレーションでも料金値上げ率は最大で10%でした。2倍です。同会見の席でも値上げ最大の要因として上げられたのが、「燃料費の負担増」でした。実は、燃料費は東京電力だけの問題ではなく、原子力発電に依存している日本中の電力会社が全く同じ課題に直面してます。

◎のしかかる燃料費

昨年の夏とは違い、現時点で電力使用制限令は発令されていません。しかし、現在の東京電力の供給力は火力発電所の稼働率を上げることで「なんとか」維持されている状態です。火力発電所のフル稼働によって、電力各社のコスト負担額は急増しています。事実、2011年4月~9月のLNG(液化天然ガス)の調達量は前年同期比で21%増加し、原油・重油も47%増加。電力10社の燃料費負担は6,600億円増加しています。

いかがでしょうか。火力発電所の稼働率増加のポイントを、ご理解いただけたでしょうか。なお、クオリティソフトでは、今後のエネルギーコスト対策に最適なソリューションを豊富にご用意しています。
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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

1月 19, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~再生可能エネルギーの固定価格買取制度 その2~

東京電力に注目し、電気料金大幅値上げの可能性を様々な角度から分かりやすく解説している本シリーズですが、今回も、8月26日に成立した「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に着目したいと思います。

◎電気料金への影響

企業、個人問わず全ての需要者は、使用電力に応じて賦課金(ふかきん)を支払う必要があります。つまり、毎月の電気使用量が大きければ大きいだけ、賦課金も増加します。また賦課金に関しては、地域差が出ないように必要な措置が講じられる予定です。東京電力管内だけでなく、日本中の全ての企業に賦課金の負担が要求されます。来年以降、特に制度開始3年間は、電気料金が確実に上がることになります。

気になる賦課金の率ですが、基準となる固定価格と、制度開始以降の電力会社の買取総額(=自然エネルギーで発電される総電力の金額換算)によって変動する可能性があります。制度開始当初の3年間に、参入事業者が設備投資回収目的も踏まえて大量に発電することを考慮すると、需要者の賦課金も順次上がっていく可能性が高いと考えられます。

いかがでしょうか。再生可能エネルギーの固定価格買取制度のポイントを、ご理解いただけたでしょうか。なお、クオリティソフトでは、今後のエネルギーコスト対策に最適なソリューションを豊富にご用意しています。
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1月 11, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~再生可能エネルギーの固定価格買取制度 その1~

東京電力に注目し、電気料金大幅値上げの可能性を様々な角度から分かりやすく解説している本シリーズですが、今回は8月26日に成立した「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に着目したいと思います。

◎2012年7月1日スタート

さる8月26日に成立した、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法。同法によって、平成24年(2012年)7月1日から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートします。

◎制度の概要

個人や事業者が自然エネルギーで発電した電力を、電力会社に一定の価格で買い取ることを義務付けるものです。制度開始の最大の目的は2つ。まず、太陽光や風力、小規模水力、地熱といった、再生可能な自然エネルギーの推進です。そして、もう一つが、発電における化石燃料依存からの脱却です。現在、原子力発電を除いたエネルギー自給率はわずか4%に過ぎません。同制度開始によって、エネルギー自給率が急上昇する可能性があります。

◎電力会社の負担

電力会社は、再生可能エネルギーの電力を長期的に「固定価格」で買い取ることが義務付けられます。しかも「全量」。つまり、発電された全ての電力を買い取らなければなりません。特に制度開始時の3年間は、発電事業への参入事業者数と投資額の増加を促す目的から、高い買取価格が設定されます。「制度開始当初の高い買取価格を利用して、初期投資を効率的に回収したい」というのが、参入業者の本音です。このところ連日報道されている通り、異業種各社が参入を発表しています。そのため2012年から2014年の3年間は、特に電気会社の負担額が急増すると考えられます。

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1月 4, 2012 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
東京電力と原子力損害賠償支援機構の「特別事業計画」

さる11月15日、東京電力は、政府の原子力損害賠償支援機構から、5,587億円の資金交付を受けたと発表しました。この資金交付にあたって、「特別事業計画」が政府認定されました。果たして、同計画にはどのような内容が記述されているのでしょうか。
そこで今回は同計画の、特に電気料金に影響するポイントに着目したいと思います。

◎特別事業計画

原子力損害賠償機構と東京電力が、共同で認可申請し、政府が内容を認定しました。
紙にも記述されている通り、原発事故被害者に対する迅速な賠償を最重視しています。

特別事業計画
―「親身・親切」な賠償の実現に向けた「緊急特別事業計画」―

平成23年10月28日
原子力損害賠償支援機構
東京電力株式会社

※経済産業省のWebサイトで公開されています。
http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111104002/20111104002-3.pdf

◎要賠償額

計画の中では、賠償額を「 1兆109億800万円」として申請を行った旨が記述されています。

※計画書P13:上段
東電は、上記の中間指針に沿った賠償基準に基づき、現時点で可能な範囲において、合理性を持って確実に見込まれる賠償見積額を算定した結果を踏まえて、機構に対し、要賠償額の見通しを 1兆 109億800万円とする資金援助の申請を行った。

しかし、この要賠償額が、実は「確定値」でないことも、記述されています。

※計画書P13:中段

上記の東電の賠償基準に示す損害項目の中には、被害の実態が把握できない、今回の事故との相当因果関係のある範囲がまだ明確にならない等、現時点では合理的な見積もりが難しく、当該算定の対象となっていないものもある。

これらの損害項目に関する状況把握の進展をはじめとして、被害者の方々との合意等によって個別具体的な損害賠償額が明らかになる等、現時点では合理的に見積もれない損害賠償額が明らかになる等の状況変化が生じた場合には、迅速な損害賠償に万が一にも支障が生じることのないよう、必要に応じて「緊急特別事業計画」の「要賠償額の見通し」について変更申請を行うこととする。

つまり、賠償額が増加する可能性が示唆されており、今後、原子力損害賠償機構から追加で資金が交付される可能性が高いと考えられます。

◎東京電力の返済義務

東京電力には、原子力損害賠償機構に対して返済義務が生じます。今回交付を受けた5,587億円に関しては、返済し続けなければなりません。また、今回の資金が「原発事故賠償」に特化していることも大切な点です。中長期的に、莫大な金額になりそうな「除染費用」も、含まれていません。

◎電気料金への影響

同計画の中で、東京電力は平成23年度の単年度で2,374億円のコスト削減を実施することが記述されています。しかし、機構からの交付資金との差額は3,000億円。この3,000億円を中長期的に確保する必要があります。近々、電気料金が大幅に値上げされる可能性が、ますます現実味を帯びてきたと言っても過言ではありません。
いかがでしょうか。特別事業計画のポイントを、ご理解いただけたでしょうか。
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12月 21, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~東京電力に関する経営・財務調査委員会「委員会報告書」 その4~

さる11月15日、東京電力が原子力損害賠償支援機構から5,587億円の交付を受けたことを発表しました。深刻な資金ショートの状態を回避するための交付ですが、果たして今後10年という視点で、東京電力は円滑に資金を調達できるのでしょうか…。また今後、電気料金の値上げはどの程度、考えられるのでしょうか。
そこでシリーズ今回も、東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」の中で行われた事業計画シミュレーションに注目したいと思います。

同報告書の中で、今後10年間の東京電力の資金調達に関するシミュレーションが行われています。
    ※報告書:当該ページは P.103~105です。
    ※報告書は以下のURLからダウンロードできます。
   http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html

◎10%でも足りない、値上げ幅

シミュレーションの値上げ設定数値は上限10%。しかし10%値上げであっても、深刻な資金ショートが起こることが明確になりました。「原子力発電所稼動×電気料金10%値上げ」というケースでも、約8,000億円の調達が必要になります。
委員会報告書では原子力発電所を稼動しない場合に関して、「著しい料金値上げを実施しない限り、当該前提で事業計画の策定を行うことは極めて困難な状況にあると思料される」と解説されています。状況によっては、10%をはるかに上回る電気料金の値上げが発生する可能性が考えられます。

◎見逃せない、注釈文

同報告書の中で、もう一つ注目したいのは、シミュレーションの注釈文です。「料金値上げ後の値下げについては考慮しない」という一文が追加されています。今回のシミュレーションは一度5%、もしくは10%の値上げをし、その価格を維持した場合を基本としています。
政府が同報告書の提言内容を重視する意向を持っていることを考慮すると、一度大幅値上げされると、値下げされる可能性は低い、ということが考えられます。こうした点からも、企業は1~2年の短期間ではなく、10年単位の長期的視点による抜本的な省エネ対策が不可欠と言えるでしょう。

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12月 14, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~東京電力に関する経営・財務調査委員会「委員会報告書」 その3~

さる11月15日、東京電力が原子力損害賠償支援機構から5,587億円の交付を受けたことを発表しました。深刻な資金ショートの状態を回避するための交付ですが、果たして今後10年という視点で、東京電力は円滑に資金を調達できるのでしょうか…。また今後、電気料金の値上げはどの程度、考えられるのでしょうか。
そこでシリーズ今回は、東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」の中で行われた事業計画シミュレーションに注目したいと思います。

◎委員会報告書で明らかになった、深刻な資金不足

同報告書の中で、今後10年間の東京電力の資金調達に関するシミュレーションが行われています。
※報告書:当該ページは P.103~105です。
※報告書は以下のURLからダウンロードできます。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html

4 今後10年の数値ベースの事業計画及び資本政策の検討
4.1 今後10年の事業計画シミュレーション及び資金調達方法
(3) 試算結果と資金調達方法

また、料金改定の影響額をみると、原子力発電所稼働ケースでは、5%値上げでは当期利益で1 兆5,075 億円、現預金で1 兆4,897 億円の増収増益効果があると試算され、10%値上げでは当期利益で3 兆108 億円、現預金で3 兆284 億円の増収増益効果があると試算された。以下同様に、1 年後原子力発電所稼働ケースでは5%値上げは当期利益で1 兆4,989 億円、現預金で1 兆5,575 億円の増収増益効果が、10%値上げは当期利益で3 兆57 億円、現預金で3 兆862 億円の増収増益効果が、原子力発電所非稼働ケースでは5%値上げは当期利益で2 兆2,715 億円、現預金で2 兆2,565 億円の増収増益効果が、10%値上げは当期利益で4 兆1,965 億円、現預金で4 兆4,186 億円の増収増益効果が、それぞれあるものと試算された。

この結果、原子力発電所稼働ケースでは、①料金改定(値上げ)なし、②5%値上げ、③10%値上げ、のいずれのパターンにおいても、実態純資産調整項目考慮前の段階で資産超過が維持できると試算されたが、原子力発電所の稼動時期が遅れるとともに、徐々に純資産が減少するリスクが拡大する試算結果となった。他方、資金面では原子力発電所稼働ケース、1 年後原子力発電所稼働ケースともに、料金値上げの状況に応じて約7,900 億円から約4 兆3,000 億円の不足資金が発生することから、資金調達策の検討が必要な状況となっている。

さらに、原子力発電所非稼働ケースにおいては、上記の料金値上げのパターンに応じて、約4 兆2,000 億円から約8 兆6,000 億円の資金調達が必要との結果が出ており、著しい料金値上げを実施しない限り、当該前提で事業計画の策定を行うことは極めて困難な状況にあるものと思料される。

◎原子力発電所が稼動した場合でも、多額の資金調達が必要に

シミュレーションのポイントをまとめると、以下のようになります。

1)原子力発電所を稼働させた場合
●値上げ無し→約3兆8,000億円不足
●5%値上げ→約2兆3,000 億円資金不足
●10%値上げ→約8,000 億円資金不足

2)1年後に原子力発電所を稼働させた場合
●値上げ無し→約4兆3,000億円不足
●5%値上げ→約2兆8,000億円資金不足
●10%値上げ→約1兆3,000 億円資金不足

3)原子力発電所を稼動させない場合
●値上げ無し→約8兆6,000億円不足
●5%値上げ→約6兆4,000億円不足
●10%値上げ→約4兆3,000 億円資金不足

このシミュレーション結果の数値を並列比較すると、原子力発電所が再稼働した場合も、東京電力の資金ショートは確実ということが分かります。中でも最も深刻なケースは、「原子力発電所非稼動×電気料金値上げ無し」です。今後10年間で、約8兆6,000億円もの資金調達が必要になります。また、原子力発電所を再稼動した場合でも、値上げ無しの場合、約3兆8,000億円の調達が必要になります。やはり、値上げは避けられない状況にあると考えられます。

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12月 7, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~東京電力に関する経営・財務調査委員会「委員会報告書」 その2~

さる10月28日、早々と12月の電気料金値上げが発表されました。東京、中部、関西、九州の電力各社は、11月分からさらに値上げとなりました。ですが 今後、一層の大幅値上げが考えられます。本シリーズでは、大幅値上げに発展する可能性のある様々な要因を分かりやすく解説しています。システム管理者のみ なさんも、全社のITのエネルギーコストを考える上で、ぜひ理解してください。今回も引き続き、東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」の内容に 着目します。

◎東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」

さる10月3日、政府の東京電力に関する経営・財務調査委員会が、委員会報告書を公表しました。同委員会は、東京電力の経営・財務の調査を行い、厳正な資 産評価と徹底した経費の見直し等を行うことを目的にスタートしました。野田首相も報告書の内容を重視する旨を、委員会で名言しています。さて、この報告書 の中でも、電気料金のもとになる「総原価」の内容が課題視されています。

※報告書はこちらからダウンロードできます。

◎委員会報告書での指摘ポイント

報告書での指摘ポイント(2)
■営業費用の適正性について
総原価の対象とする営業費用については、電気の安定供給に真に必要な費用に限定し、それ以外の費用(例えば、オール電化推進関係費や広告宣伝費、寄付金、団体費等)は総原価の対象から外し、自由化部門を含めた収益の範囲で企業が自主的判断に基づいて実施すべきではないか。

これまで総原価には、実はオール電化推進関連費や広告宣伝費、自治体への寄付金も含まれてきました。調査委員会の報告書では、これらを総原価の構成要素から外すべきであると指摘しています。電気の安定供給に「真に必要な費用に限定すべき」と提言されています。もし総原価の構造が改善されない場合、実際の電気利用者である企業や個人が、前述のようなコストを負担し続けることになるのです。

いかがでしょうか。委員会報告書での指摘内容を、ご理解いただけたでしょうか。
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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

12月 1, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~東京電力に関する経営・財務調査委員会「委員会報告書」 その1~

さる10月28日、早々と12月の電気料金値上げが発表されました。東京、中部、関西、九州の電力各社は、11月分からさらに値上げとなりました。ですが今後、一層の大幅値上げが考えられます。本シリーズでは、大幅値上げに発展する可能性のある様々な要因を分かりやすく解説しています。システム管理者のみなさんも、全社のITのエネルギーコストを考える上で、ぜひ理解してください。今回は、東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」の内容に着目します。

◎東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」

さる10月3日、政府の東京電力に関する経営・財務調査委員会が、委員会報告書を公表しました。同委員会は、東京電力の経営・財務の調査を行い、厳正な資産評価と徹底した経費の見直し等を行うことを目的にスタートしました。野田首相も報告書の内容を重視する旨を、委員会で名言しています。さて、この報告書の中でも、電気料金のもとになる「総原価」の内容が課題視されています。

※報告書はこちらからダウンロードできます。

◎委員会報告書での指摘ポイント

報告書での指摘ポイント(1)
■総原価の把握(「名目値」)の適正性
現行の値下げ届出制の下で届け出られた原価と実績が届出後直ちに大きく乖離を生じている場合がある。
したがって、総括原価主義の大前提である原価の把握そのものが規制当局において適切になされているとは言い難く、原価主義(「適正な原価」、「適正な利潤」)の原則が維持されているかについて疑義がある。

報告書では、電気料金の算定基準である「原価」の構成内容に関して、疑問を呈しています。これまで、構成内容が見直されたことはありません。原価の構成内容が改善されない限り、今後、電力会社の申請を受けて、大幅な電気料金の値上げに発展する可能性があります。

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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

11月 22, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~総括原価方式 その2~

9月の段階で、早々と11月の電気料金に関しても電力各社が値上げを発表し、特に東京電力と関西電力は9ヶ月連続で値上げとなりました。しかし、実状を客観的、かつ冷静に分析すると、近々大幅な値上げの可能性を否定できません。
では、具体的にどのような点が、大幅値上げに発展する可能性があるのでしょうか。
前回に引き続き、避けて通れない「総括原価方式」を解説します。

◎スマートフォン・スマートデバイスに対する統制

特にAndroidスマートフォンやスマートデバイスの爆発的な増加によって懸念されるのが、危険アプリのインストール・利用を起因にした、ウイルス感染とウイルス拡散です。そこで業務で利用されている全てのスマートフォンやスマートデバイスに対して、職務規程以外のアプリの起動制御と、アプリの限定利用を徹底する必要があります。また、PCと同様にセキュリティソフトのインストール状況確認、定義ファイルの更新状況確認を行うことも要求されます。
この他、改正刑法施行後、最初のわいせつ物頒布罪での摘発が携帯電話であったことを考慮すると、スマートフォンやスマートデバイスの中のデータに対する管理体制強化も、今後のシステム管理業務に含まれるべき重要業務であると認識する必要があるでしょう。

◎「適正な原価」の構成内容

電気事業法第19条では、「電力料金=適正な原価+適正な報酬(利潤)」と定義されています。いずれも、適正であることが前提です。では、具体的に原価には何か含まれているのでしょうか。
人件費をはじめとして、営業費、燃料費、修繕費などが、その主な構成内容です。この他、安全対策に関する費用も含まれています。このため、燃料費が高騰すれば自動的に原価が上がり、電気料金が値上がりすることになります。
昨今のように、火力発電所の稼働率を高めることで供給力を維持している状況では燃料費が上がり、必然的に電気料金も値上がりを続ける状況にある、ということです。これから冬季に入り、火力発電所の稼働率がさらに高まると、電気料金はさらに値上がりすると考えられます。
また、休止していた火力発電所の再稼動によって、新たな修繕費も必要になります。これもまた、電気料金の値上げに繋がります。

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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

11月 16, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~総括原価方式 その1~

9月の段階で、早々と11月の電気料金に関しても電力各社が値上げを発表し、特に東京電力と関西電力は9ヶ月連続で値上げとなりました。しかし、実状を客観的、かつ冷静に分析すると、近々大幅な値上げの可能性を否定できません。
では、具体的にどのような点が、大幅値上げに発展する可能性があるのでしょうか。そこで、様々な要因を分かりやすく解説するのが今回スタートする新シリーズです。システム管理者のみなさんも、全社のITのエネルギーコストを考える上で、ぜひ理解してください。シリーズ1回目は、避けて通れない「総括原価方式」を解説します。

◎電気事業法:第19条

現在の電気料金の算定方法は、電気事業法の第19条が根拠となっています。注目したいのは、第二項です。以下に抜粋します。

※一般電気事業者の供給約款等:第19条
一般電気事業者は、一般の需要(特定規模需要を除く。)に応ずる電気の供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、供給約款を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

第二項 経済産業大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。

1)料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。
2)料金が供給の種類により定率又は定額をもつて明確に定められていること。
3)一般電気事業者及び電気の使用者の責任に関する事項並びに電気計器その他の用品及び配線工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
4)特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

1)に注目してください。「適正な原価に適正な利潤を加えたものであること」と定義されています。これが総括原価方式であり、電気料金の算定根拠です。

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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

11月 9, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |