■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その26~

日銀から公開された7月の「地域経済報告」では、全国9地域のうち近畿と四国を除く7地域で景気判断が上方修正されるなど、震災から100日が経過して徐々に国内経済が持ち直して来ました。しかし、電力不足と現実味を帯びてきた電気料金の大幅値上げなど、企業を取り巻く経営環境が、今後も厳しいことは言うまでもありません。経営コストの一層の削減は、全ての日本企業の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月から適用された「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂です。同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説してきた本シリーズも、今回でいよいよ最終回。最終回も「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(4)不正等の報告

監査人は、内部統制監査の実施において不正又は法令に違反する事実を発見した場合には、経営者、取締役会及び監査役又は監査委員会に対して適時に報告して適切な対応を求めるとともに、内部統制の有効性に及ぼす影響の程度について検討し、その結果、その事実が内部統制の不備又は開示すべき重要な不備に該当する場合には上記(内部統制の開示すべき重要な不備の報告と是正)に記載した対応を取らなければならない。

●理解ポイント●
悪質な不正行為を発見した場合、監査法人には取締役会や監査委員会でのスピーディーな報告義務があります。この報告を受けて、企業側には是正義務も発生します。ただし、これまでの各社のケースを踏まえると、内部統制報告書や内部統制監査報告書の「再提出」はマーケットでマイナス評価につながり、株価を急落させる可能性があります。
是正における現場作業増加によるコストの増加、監査業務増加における監査コストの増加、しかも株価低迷による時価総額の低下など、不正発見によって、様々なリスクプライスへと発展する可能性があります。
内部統制システムの不備は、具体的に8つの影響をもたらす可能性があると考えられます。

1)グループ親会社の株価急落
2)株価低迷による、市場からの資金調達力の低下
3)ステークホルダーとの信頼関係悪化
4)ブランドイメージの悪化
5)イメージ悪化による市場競争力悪化で業績悪化
6)経営陣への責任追及
7)イメージ悪化による入社志望者の減少
8)入社希望者の質的低下による、中長期的企業力の低下

内部統制システムの不備は、上場企業とグループ子会社全体の将来をも揺るがしかねない問題です。常時システムの実効性の維持と向上に努めることが重要です。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
なお、クオリティでは内部統制システムの評価システムに活用できるモニタリングツール「QOH」とレポーティングツール「eX Report」をご用意しています。
詳細は、クオリティのWebサイトにてご確認ください。

Dr.QがITサプリをお届けしました。
次回も引き続き、「新局面、内部統制システム」をお届けします。

9月 1, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その25~

日銀から公開された7月の「地域経済報告」では、全国9地域のうち近畿と四国を除く7地域で景気判断が上方修正されるなど、震災から100日が経過して徐々に国内経済が持ち直して来ました。しかし、電力不足と現実味を帯びてきた電気料金の大幅値上げなど、企業を取り巻く経営環境が、今後も厳しいことは言うまでもありません。経営コストの一層の削減は、全ての日本企業の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月から適用された「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂です。同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説してきた本シリーズも、今回でいよいよ最終回。最終回も「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(3)内部統制の開示すべき重要な不備の報告と是正

◎期末後の是正措置
〔期末日後に実施された是正措置の検討〕

内部統制報告書に期末日後に実施された開示すべき重要な不備に対する是正措置が付記された場合、監査人は、当該是正措置に係る
内部統制報告書の付記事項などの記載内容の妥当性を検討するため、例えば、以下の手続を実施する。

a. 当該是正措置に関する稟議書等の社内文書を入手して、その内容を確認する。
b. 是正措置の内容について、財務、経理及び関連する部署の担当役員等に質問する。
c. 是正措置が連結子会社等で実施された場合で、当該連結子会社等を他の監査人が監査している場合には、 当該他の監査人から、当該是正措置の内容に関する他の監査人の見解等を確認する。

●理解ポイント●
年度末日までに実際のシステム改善を含め内部統制システムの是正が完了しないケース、
または新年度開始後に、重要な不備が検出されるなどのケースも想定されます。事実、これまでにも新年度開始後に、旧年度において重要な欠陥(基準改訂前のため)が新たに指摘されたケースがありました。しかし、その場合、年度内に是正措置が完了した場合と比較して、より大きく株価に影響を及ぼす可能性が考えられます。
内部統制システムの不備を放置してしまった企業側、内部統制システムの不備を発見できなかった監査法人側、双方に大きなデメリットが生じます。だからこそ、通年での定期的な資料提出と、客観的で的確な自己分析が不可欠なのです。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
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8月 24, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その24~

6月発表の財務省と内閣府による、4~6月期の法人企業景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-22.0と大幅悪化しており、日本企業の経営環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(3)内部統制の開示すべき重要な不備の報告と是正

◎開示すべき重要な不備の是正状況の検討
〔期中に存在した開示すべき重要な不備の是正状況の確認〕

監査人は、監査の過程で内部統制の開示すべき重要な不備を発見した場合には、経営者に報告して是正を求めるとともに、当該開示すべき重要な不備の是正状況を適時に確認しなければならない。
経営者又は監査人が開示すべき重要な不備を発見した場合でも、前年度以前に発見された開示すべき重要な不備を含め、それが内部統制報告書における評価時点(期末日)までに是正されていれば、内部統制は有効であると認めることができる。
監査人は、開示すべき重要な不備の是正結果を、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告しなければならない。なお、評価時点(期末日)までに開示すべき重要な不備について是正措置が実施された場合には監査人は、実施された是正措置について経営者が行った評価が適切であるか確認を行う。

●理解ポイント●
是正状況の確認で注目したいのは、「前年度以前に発見された開示すべき重要な不備を含め、それが内部統制報告書における評価時点(期末日)までに是正されていれば、内部統制は有効であると認めることができる。」です。
万一、現在の内部統制システムに重要な不備が発見された場合、年度末日までに、システム改修と検証を完了させる必要があります。ただし、重要な不備が発見された場合、より多くのサンプルに対する再監査を含め、追加の監査工数が大幅増加することが予想されます。また、発見が第4四半期に入ってからの場合、新年度の開始まではわずか3ヶ月しか猶予は無いことになります。もし改修できず、システムの不備が残されたままの場合、内部統制監査報告書上で重要な不備を指摘され、公開されることになります。当然、金融庁のEDINETでも同様に公開されるため、株価に極めて大きな影響を及ぼす恐れがあります。
企業側には、 監査法人より早く、システムの不備に発展する可能性のあるリスクを検出できるモニタリング体制と、データに対する入念な定期分析が要求されます。

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8月 17, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その23~

6月発表の財務省と内閣府による、4~6月期の法人企業景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-22.0と大幅悪化しており、日本企業の経営環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(3)内部統制の開示すべき重要な不備の報告と是正

◎開示すべき重要な不備等の報告
〔内部統制監査で発見した開示すべき重要な不備等の報告〕

監査人は、監査の過程で開示すべき重要な不備を発見した場合には、その内容を、経営者に報告して是正を求めなければならない。
また、監査人は、当該開示すべき重要な不備の内容を経営者に報告した旨を、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告しなければならない。
監査人は、開示すべき重要な不備以外の不備を積極的に発見することを要求されてはいないが、監査の過程において、財務報告に係る内部統制のその他の不備を発見した場合には、適切な管理責任者に適時に報告しなければならない。
監査人による報告では、報告の対象となる不備が内部統制の不備、開示すべき重要な不備のいずれに区別されるのかを明らかにしなければならない。ただし、迅速な報告が必要であると判断した場合に、その時点では当該区別を明らかにしないですみやかに報告し、当該区別については、改めて報告するということも考えられる。

●理解ポイント●
ここで注目したいのは、「迅速な報告が必要であると判断した場合に、その時点では当該区別を明らかにしないですみやかに報告し、当該区別については、改めて報告するということも考えられる。」です。
つまり、不備が発生している区分が明らかでない段階で監査法人から報告(≒指摘)を受けた場合、現在の内部統制システムには明らかに不備があり、細かい検証と実際のシステム改修が確実となり、短期間で多くの追加工数が必要になると推測されます。また、検証作業にともない監査コストの大幅な上昇も考えられます。
万一の場合、企業ブランドを守り、ステークホルダーとの信頼関係を維持し、監査コストを抑えるためにも重要なのは、いかにスピーディーに不備を解消するかです。こうした観点からも、社内のシステム管理部に内部統制を詳しく理解した専門家を、確実に養成しておくことが求められます。

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8月 10, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その22~

6月発表の財務省と内閣府による、4~6月期の法人企業景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-22.0と大幅悪化しており、日本企業の経営環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(3)内部統制の開示すべき重要な不備の報告と是正

◎開示すべき重要な不備等の報告
〔内部統制監査で発見した開示すべき重要な不備等の報告〕

(前回から続く)しかしながら、ITに係る全般統制の不備は、それ自体が財務報告の重要な事項に虚偽記載が発生するリスクに必ずしも直接に繋がるものではないため、業務処理統制が現に有効に機能していることが検証できているのであれば、全般統制の不備をもって直ちに開示すべき重要な不備と評価されるものではないことに留意する。

●理解ポイント●
全般統制に万一不備が生じていると判定されても、重要な不備と評価はされません。だからと言って、これは全般統制を軽視できるものではありません。
全般統制に不備がある場合、内部統制全体の実効性には明らかに不備が生じていることになります。そのため企業側には、早期の改善が要求されます。監査法人側も、確実に改善を要求してきます。企業内における実務担当者であるシステム管理者の負担が、さらに増加することが予想されます。つねに、全般統制と業務処理統制の双方を重視し、内部統制の実効性を維持することが求められます。

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8月 3, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その21~

6月発表の財務省と内閣府による、4~6月期の法人企業景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-22.0と大幅悪化しており、日本企業の経営環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(3)内部統制の開示すべき重要な不備の報告と是正

◎開示すべき重要な不備等の報告
〔内部統制監査で発見した開示すべき重要な不備等の報告〕

監査人は、監査の過程で開示すべき重要な不備を発見した場合には、その内容を、経営者に報告して是正を求めなければならない。
また、監査人は、当該開示すべき重要な不備の内容を経営者に報告した旨を、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告しなければならない。
監査人は、開示すべき重要な不備以外の不備を積極的に発見することを要求されてはいないが、監査の過程において、財務報告に係る内部統制のその他の不備を発見した場合には、適切な管理責任者に適時に報告しなければならない。
監査人による報告では、報告の対象となる不備が内部統制の不備、開示すべき重要な不備のいずれに区別されるのかを明らかにしなければならない。ただし、迅速な報告が必要であると判断した場合に、その時点では当該区別を明らかにしないですみやかに報告し、当該区別については、改めて報告するということも考えられる。

●理解ポイント●
ここで注目したいのは、「迅速な報告が必要であると判断した場合に、その時点では当該区別を明らかにしないですみやかに報告し、当該区別については、改めて報告するということも考えられる。」です。
つまり、不備が発生している区分が明らかでない段階で監査法人から報告(≒指摘)を受けた場合、現在の内部統制システムには明らかに不備があり、細かい検証と実際のシステム改修が確実となり、短期間で多くの追加工数が必要になると推測されます。また、検証作業にともない監査コストの大幅な上昇も考えられます。
万一の場合、企業ブランドを守り、ステークホルダーとの信頼関係を維持し、監査コストを抑えるためにも重要なのは、いかにスピーディーに不備を解消するかです。こうした観点からも、社内のシステム管理部に内部統制を詳しく理解した専門家を、確実に養成しておくことが求められます。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
なお、クオリティでは内部統制システムの評価システムに活用できるモニタリングツール「QOH」とレポーティングツール「eX Report」をご用意しています。
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7月 27, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その20~

さる6月2日、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」で、2015年度までに消費税率を段階的に10%に引き上げる社会保障改革案が打ち出されるなど、日本企業の経営環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。

そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔業務プロセスに係る内部統制の不備の検討〕

監査人は、内部統制の不備が識別された場合、当該不備が、個々に又は組み合わせにより開示すべき重要な不備に該当するかどうかを、例えば、以下のとおり判断する。

ニ. ITを利用した内部統制に係るITの全般統制の不備の取扱い

(続き)しかしながら、ITに係る全般統制の不備は、それ自体が財務報告の重要な事項に虚偽記載が発生するリスクに必ずしも直接に繋がるものではないため、業務処理統制が現に有効に機能していることが検証できているのであれば、全般統制の不備をもって直ちに開示すべき重要な不備と評価されるものではないことに留意する。

●理解ポイント●
全般統制に万一不備が生じていると判定されても、重要な不備と評価はされません。だからと言って、これは全般統制を軽視できるものではありません。
全般統制に不備がある場合、内部統制全体の実効性には明らかに不備が生じていることになります。そのため企業側には、早期の改善が要求されます。監査法人側も、確実に改善を要求してきます。企業内における実務担当者であるシステム管理者の負担が、さらに増加することが予想されます。つねに、全般統制と業務処理統制の双方を重視し、内部統制の実効性を維持することが求められます。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
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7月 20, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その19~

さる6月2日、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」で、2015年度までに消費税率を段階的に10%に引き上げる社会保障改革案が打ち出されるなど、日本企業の経営環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。

そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔業務プロセスに係る内部統制の不備の検討〕

監査人は、内部統制の不備が識別された場合、当該不備が、個々に又は組み合わせにより開示すべき重要な不備に該当するかどうかを、例えば、以下のとおり判断する。

ニ. ITを利用した内部統制に係るITの全般統制の不備の取扱い

ITを利用した内部統制に係るITの全般統制は、ITに係る業務処理統制が有効に機能する環境を保証するための統制活動であり、仮に、全般統制に不備があった場合には、たとえ業務処理統制が有効に機能するように整備されていたとしても、その有効な運用を継続的に維持することができない可能性がある。
したがって、全般統制に不備が発見された場合には、それをすみやかに改善することが求められる。

●理解ポイント●
企業の内部統制の重要基盤となるのが、ITの全般統制です。具体的にITの全般統制には、ネットワークの運用管理をはじめ、クライアントPCの保守、各ソフトウェアの保守、重要ファイルに対するアクセス制御などが含まれます。こうした基本的な部分における統制効果を立証することで、ITの全般統制の有効性を立証できます。
逆に立証できなければ、ITの全般統制だけでなく、ITに係る業務処理統制の有効性に関しても不備が発生している可能性が考えられます。内部統制全体の実効性を考慮すると、統制効果の高さを定期的なセキュリティレポートなどによる立証が、極めて重要なのです。

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7月 13, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その18~

震災復興財源と福島第1原発事故の賠償財源の双方確保を目的に、増税と電気料金の値上げが現実味を帯びてきました。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔業務プロセスに係る内部統制の不備の検討〕

監査人は、内部統制の不備が識別された場合、当該不備が、個々に又は組み合わせにより開示すべき重要な不備に該当するかどうかを、例えば、以下のとおり判断する。

イ. 業務プロセスから発見された内部統制の不備がどの勘定科目等に、どの範囲で影響を及ぼしうるかについての検討

また、他の事業拠点でも、問題となった業務プロセスと同様の業務手順を横断的に用いている場合(例えば、別の事業拠点でも、同一の手順書等に基づき、先の事業拠点と同一の手順を経て販売が行われる場合)には、上記の問題の影響は当該他の事業拠点全体の売上高にも及ぶことが考えられる。
ただし、最終的な内部統制の不備の程度については、以下ロ.に示すように、当該他の事業拠点において実際に問題が発生する確率の高低等を考慮して決定することになる。

●理解ポイント●
昨年発覚した上場企業の不正会計事件では、特定の事業部で閉鎖的な会計処理が行われ、全社的なログ分析も行われていないことが明らかになりました。不正会計抑止の観点からも、全ての事業部を網羅した操作ログ収集体制を確立し、定期分析することが重要です。「縦割り」ではなく、「一元的」な収集と分析が必須です。操作ログ取得・分析ツールの運用性向上が、中長期的に監査コスト削減にも確実につながります。

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7月 6, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その17~

震災復興財源と福島第1原発事故の賠償財源の双方確保を目的に、増税と電気料金の値上げが現実味を帯びてきました。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討
〔業務プロセスに係る内部統制の不備の検討〕

監査人は、内部統制の不備が識別された場合、当該不備が、個々に又は組み合わせにより開示すべき重要な不備に該当するかどうかを、例えば、以下のとおり判断する。

イ. 業務プロセスから発見された内部統制の不備がどの勘定科目等に、どの範囲で影響を及ぼしうるかについての検討

監査人は、業務プロセスに係る内部統制の不備が発見された場合、不備の重要性を判断するに当たり、当該業務プロセスに係る内部統制の不備がどの勘定科目にどの範囲で影響を及ぼすか検討する。

例えば、ある事業拠点において、ある商品の販売に係る業務プロセスで問題が起きた場合、その問題の影響が及ぶ売上高は、当該販売プロセスが当該事業拠点に横断的な場合(例えば、ある事業拠点において、すべての出荷が定型化した販売手順を経て行われる場合であって、その出荷のプロセスに不備が発見された場合)には、当該事業拠点全体の売上高に影響を及ぼすものと考えられる一方、問題となった業務プロセスが特定の商品に係る販売プロセスに固有のものである場合には、当該商品の売上高だけに影響を及ぼすものと考えることができる。

●理解ポイント●
万一の場合、監査法人が不備の重要性を分析するにあたって極めて重要になるのがクライアントPCの操作ログです。企業側にはログデータの中から、監査法人の要望に応じて、速やかに必要なログを検索し、時系列で配列できる体制整備が不可欠です。
また、ログデータの検索結果をもとに、影響が生じる範囲を限定させることも重要です。逆に限定することができなければ、監査工数が大幅に増加し、最終的に監査費用の増大につながる可能性も考えられます。全ての上場企業、そして連結子会社で、操作ログ取得・分析ツールの操作性と有効性を、いま一度改めて見直すことが求められています。

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6月 29, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その16~

日本銀行から先日発表された企業短期経済観測調査では、6月の業況判断指数が急速に悪化するなど、震災の影響もあり一気に不透明感が漂い出した国内経済。こうした状況下で上場企業、およびグループ企業の急務は、経営コスト削減です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔ITを利用した内部統制の評価の検討〕

ハ. ITに係る業務処理統制の評価の検討(前回に引き続きハ.を解説します)
また、ITを利用して自動化された内部統制については、過年度の検討結果を考慮し、検討した時点から内部統制が変更されていないこと、障害・エラー等の不具合が発生していないこと、及び関連する全般統制の整備及び運用の状況を検討した結果、全般統制が有効に機能していると判断できる場合には、その結果を記録することで、当該検討結果を継続して利用することができる。

●理解ポイント●
内部統制システムに「自動化」を導入できれば、さらに監査コストを削減できることが記述されています。重要・機密データ(ファイル)、クライアントPC、PC操作に対するモニタリングを強化し、リスクに発展する可能性のあるPCと操作に対していち早く自動的に対応できる体制を整備できれば、システムの有効性確保につながり、監査人の監査工数を大幅に削減できます。
中長期的に経営コストをスリム化していく観点からも、現在の内部統制システムを見直し、計画的に強化を図ることが重要です。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
なお、クオリティでは内部統制システムの評価システムに活用できるモニタリングツール「QOH」とレポーティングツール「eX Report」をご用意しています。
詳細は、クオリティのWebサイトにてご確認ください。

Dr.QがITサプリをお届けしました。
次回も引き続き、「新局面、内部統制システム」をお届けします。

6月 22, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その15~

日本銀行から先日発表された企業短期経済観測調査では、6月の業況判断指数が急速に悪化するなど、震災の影響もあり一気に不透明感が漂い出した国内経済。こうした状況下で上場企業、およびグループ企業の急務は、経営コスト削減です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔ITを利用した内部統制の評価の検討〕

ハ. ITに係る業務処理統制の評価の検討(前回に引き続きハ.を解説します)
なお、ITを利用した内部統制は一貫した処理を反復継続するため、その整備状況が有効であると評価された場合には、ITに係る全般統制の有効性を前提に、監査人においても、人手による内部統制よりも、例えば、サンプル数を減らし、サンプルの対象期間を短くするなど、一般に運用状況の検討作業を減らすことができる。

●理解ポイント●
監査工数を減らして内部統制監査コストを削減するための、具体的な手法が解説されています。最も重要になるのが、レポートなどによる数値ベースでの内部統制システムの有効性立証です。不正行為が発生していないことが立証され、またリスク管理への確実な対応状況が立証できれば、監査における「人手」を減らし、検証用のサンプル数も減らし、またサンプルの対象期間も減らすことができます。企業側の取り組み次第で、監査コストの大幅削減も可能です。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
なお、クオリティでは内部統制システムの評価システムに活用できるモニタリングツール「QOH」とレポーティングツール「eX Report」をご用意しています。
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6月 15, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その14~

東電管内の事業所に対して電力の「総量規制」や 「使用制限」なども検討されるなど、産業界の業績に、震災の影響が確実に及びつつあります。上場企業、およびグループ企業の急務は、経営コスト削減です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

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◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔ITを利用した内部統制の評価の検討〕

ハ. ITに係る業務処理統制の評価の検討

例えば、前年度において、内部統制の評価結果が有効であったITに係る業務処理統制の運用状況の評価に当たっては、当該業務処理統制の大きな状況の変化など新たに確認すべき事項がない場合、経営者が評価において選択したサンプル及びその評価結果を利用するなど効率的な手続の実施に留意する。
なお、ITを利用した内部統制は一貫した処理を反復継続するため、その整備状況が有効であると評価された場合には、ITに係る全般統制の有効性を前提に、監査人においても、人手による内部統制よりも、例えば、サンプル数を減らし、サンプルの対象期間を短くするなど、一般に運用状況の検討作業を減らすことができる。
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●理解ポイント●
ここにも、監査の効率化を促す記述があります。
「当該業務処理統制の大きな状況の変化など新たに確認すべき事項がない場合、経営者が評価において選択したサンプル及びその評価結果を利用するなど効率的な手続の実施に留意する。」
です。また、内部統制の有効性が立証できれば、抽出サンプル数を減らし、監査をさらに効率化できると明記されています。この点からも、企業側の実務担当者であるシステム管理者の能動的な取り組みがますます重要であることが分かります。

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また、ITを利用して自動化された内部統制については、過年度の検討結果を考慮し、検討した時点から内部統制が変更されていないこと、障害・エラー等の不具合が発生していないこと、及び関連する全般統制の整備及び運用の状況を検討した結果、全般統制が有効に機能していると判断できる場合には、その結果を記録することで、当該検討結果を継続して利用することができる。
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●理解ポイント●
企業側に要求されるのは、監査法人に対して内部統制の実効性が対前年比で同率以上に維持されていることを立証できる体制です。セキュリティレポートなどによって、継続的な実効性を分かりやすく立証・解説できれば、確実に監査コストを削減できます。

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6月 8, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その13~

東電管内の事業所に対して電力の「総量規制」や 「使用制限」なども検討されるなど、産業界の業績に、震災の影響が確実に及びつつあります。上場企業、およびグループ企業の急務は、経営コスト削減です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔ITを利用した内部統制の評価の検討〕

ハ. ITに係る業務処理統制の評価の検討
監査人は、上記イ.により入手した記録等の閲覧、適切な管理者又は担当者に対する質問等により、業務処理統制の実施状況及び自己点検の状況を検討する。
その際、評価対象となった業務処理統制に係る統制上の要点ごとに、一部の取引を抜き出し(サンプリング)、当該取引に係るシステムへの入力情報とシステムからの出力情報を比較し、予想していた出力情報が得られているかを、例えば、入力データに基づいて、検算を行うこと等により確認する。
監査人は、前述のように、基本的には、監査人自ら選択したサンプルを用いた試査により、適切な監査証拠を入手して行うこととなるが、監査人は、統制上の要点として選定した内部統制ごとに、経営者が抽出したサンプルの妥当性の検討を行った上で、監査人自らが改めて当該サンプルをサンプルの全部又は一部として選択することができる。当該サンプルについて、経営者が行った評価結果についても、評価方法等の妥当性を検証し、経営者による作業の一部について検証した上で、経営者の評価に対する監査証拠として利用することができる。

●理解ポイント●
注目したいのは、
「監査人は、統制上の要点として選定した内部統制ごとに、経営者が抽出したサンプルの妥当性の検討を行った上で、監査人自らが改めて当該サンプルをサンプルの全部又は一部として選択することができる」
です。つまり、企業側が用意したデータを、そのまま監査証拠用のサンプルとして活用できると記述されています。また、同サンプルの経営者の評価結果を、そのまま監査証拠として活用できることも記述されています。
的確なサンプルデータの抽出と、データに関する客観的な評価によって、監査工数が大幅に削減できることが分かります。中長期的に監査コストを削減するためには、企業側に客観的にデータの分析を通して、内部統制の有効性を立証できる体制が必要です。

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6月 1, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その12~

節電の長期化による産業活動停滞が、今後の日本企業の業績に及ぼす影響は甚大。上場企業、およびグループ企業は、早急に経営コスト削減に取り組む必要があります。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔業務プロセスに係る内部統制の評価の検討〕

ロ. 業務プロセスに係る内部統制の運用状況の検討
a.運用状況の検討の内容及び実施方法
監査人は、評価対象となった業務プロセスに係る内部統制の運用状況を理解しなければならない。そのため、監査人は、経営者の内部統制の運用状況に関する「Ⅱ 財務報告に係る内部統制の評価及び報告」3.(7)に記載の内部統制の記録を入手し、関連文書の閲覧、適切な管理者又は担当者に対する質問等により、内部統制の実施状況(自己点検の状況を含む。)を検証する。また、記録の閲覧や質問等では検証が困難な場合には、業務の観察や、必要に応じて適切な管理者又は担当者に再度手続を実施させることによって検証する。

●理解ポイント●
ここでも、企業側のデータ次第で、監査コストを削減できることが分かります。注目したいのは、
「内部統制の記録を入手し、関連文書の閲覧、適切な管理者又は担当者に対する質問等により、内部統制の実施状況(自己点検の状況を含む。)を検証する。」
という記述です。
企業側には、監査法人に対して定期的に適切なデータを提供し、またセキュリティレポートなどによって内部統制システムの実効性を立証することが要求されます。企業側の体制次第で、監査法人の検証プロセスを簡素化し、関連コスト圧縮が可能です。
今回の実施基準改訂を最大限に有効活用して、経営コスト削減に取り組んでください。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
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5月 25, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その11~

節電の長期化による産業活動停滞が、今後の日本企業の業績に及ぼす影響は甚大。上場企業、およびグループ企業は、早急に経営コスト削減に取り組む必要があります。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)業務プロセスに係る内部統制の評価の検討

〔業務プロセスに係る内部統制の評価の検討〕

イ. 業務プロセスに係る内部統制の整備状況の検討
上記内部統制の整備状況に関して、監査人は、財務諸表監査の実施過程において、一定の監査証拠を入手しているのが一般的と考えられ、その場合には、その利用が可能であることに留意する。
また、監査人は、「Ⅱ 財務報告に係る内部統制の評価及び報告3.(7)①」において「特に、事業規模が小規模で、比較的簡素な構造を有している組織等においては、様々な記録の形式・方法をとりうる。
例えば、当該会社の作成している経営者から組織の内外の者に対する質問書、各業務の業務内容を前任者から後任者に伝達するための文書等、販売担当者が受注の際に作成した文書等、ソフトウェアのマニュアル、伝票や領収書などの原資料、受注入力後販売管理システムから出力される出荷指図書などの業務指示書等を適宜、利用し、必要に応じてそれに補足を行っていくことで足りることに留意する。」とされていることに留意する(以下、実施基準「Ⅲ. 財務報告に係る内部統制の監査」において同じ。)。

●理解ポイント●
ここで理解したいのは、企業グループ全域において実効性の高い内部統制システムを整備するために、全社に対して高価なシステムやERPなどを導入する必要はないと間接的に解説されている点です。内部統制システムのポイントは、価格ではなく、「実効性」なのです。
「比較的簡素な構造を有している組織等においては、様々な記録の形式・方法をとりうる。」と、監査法人から過度なシステム導入や対策を要求することがないように、いわば念が押されています。
そこで重要になってくるのは、企業側(システム管理部)の内部統制に対する能動的な取り組みと、客観的なデータによる主体的な実効性の立証です。企業側の取り組み次第で、確実に監査プロセスを簡素化し、監査コストを削減できるのです。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
なお、クオリティでは内部統制システムの評価システムに活用できるモニタリングツール「QOH」とレポーティングツール「eX Report」をご用意しています。
詳細は、クオリティのWebサイトにてご確認ください。

Dr.QがITサプリをお届けしました。
次回も引き続き、「新局面、内部統制システム」をお届けします。

5月 18, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その10~

震災の影響が懸念される一方、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用がカウントダウンとなっています。そこで企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて、同基準改訂版のポイントを本シリーズで分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目し、理解ポイントを追加で2点ご紹介します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(3)監査計画と評価範囲の検討

〔評価範囲の妥当性の検討〕 (2)評価範囲の妥当性の検討

1.重要な事業拠点の選定
監査人は、経営者が評価対象とする重要な事業拠点の決定過程を理解し、経営者が重要な事業拠点を「Ⅱ 財務報告に係る内部統制の評価及び報告」に照らして、適切に選定しているか確認する。その際、監査人の実施する手続としては、例えば、以下のものが挙げられる。

○子会社、関連会社等を含め当該企業における連結ベースのすべての事業拠点を網羅した事業拠点の一覧を入手する。
○事業拠点は、企業の実態に応じ、本社、子会社、支社、支店、事業部等として識別されることがあるが、その識別の方法及び識別された結果が、適切であるか確認する。

●理解ポイント●
「Ⅱ 財務報告に係る内部統制の評価及び報告」では、次のように記述されています。
重要な事業拠点の選定/企業が複数の事業拠点を有する場合には、評価対象とする事業拠点を売上高等の重要性により決定する。例えば、本社を含む各事業拠点の売上高等の金額の高い拠点から合算していき、連結ベースの売上高等の一定の割合に達している事業拠点を評価の対象とする。
この記述からも、上場企業には柔軟性と拡張性を併せ持った内部統制システムが重要であることが分かります。

○経営者の行った重要な事業拠点の選定の過程や結果が適切でないと判断した場合には、経営者に対し、その旨を指摘するとともに、財務報告に対する影響の程度等に応じ、重要な事業拠点の選定の見直しなどの追加的な対応を求める場合がある。

●理解ポイント●
監査法人側は、実態に応じて追加対応策を要求できることが明記されています。想定されるケースとしては、ある子会社が業績を急激に伸ばし、連結ベースでの比率が急激に上昇した場合、同年度内であっても評価範囲(≒統制範囲)拡大が要求されます。
こうした点からも、本社(上場企業)には連結子会社各社に対して、柔軟に内部統制システムを拡張できる体制が要求されると考えられます。同様に、拡張された内部統制システムの有効性を立証できるレポートを、必要に応じて即提出できる体制を整備することも重要となります。

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5月 11, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その9~

震災の影響が懸念される一方、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用がカウントダウンとなっています。そこで企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて、同基準改訂版のポイントを本シリーズで分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(3)監査計画と評価範囲の検討

〔評価範囲の妥当性の検討〕 (2)評価範囲の妥当性の検討

1.重要な事業拠点の選定
監査人は、経営者が評価対象とする重要な事業拠点の決定過程を理解し、経営者が重要な事業拠点を「Ⅱ 財務報告に係る内部統制の評価及び報告」に照らして、適切に選定しているか確認する。その際、監査人の実施する手続としては、例えば、以下のものが挙げられる。

○子会社、関連会社等を含め当該企業における連結ベースのすべての事業拠点を網羅した事業拠点の一覧を入手する。
○事業拠点は、企業の実態に応じ、本社、子会社、支社、支店、事業部等として識別されることがあるが、その識別の方法及び識別された結果が、適切であるか確認する。

●理解ポイント●
ここで重要なのは、本社だけでなく、例えば業績面での貢献度の高い連結子会社も、あらかじめ監査対象として企業自ら選定して、本社と同等の内部統制システムを採用しておく必要がある点です。つまり、連結子会社の業績に応じて毎年、内部統制の範囲を変化させる必要性が出てくることを想定する必要があります。
企業側に要求されるのは、各社の業績に応じて柔軟に、かつ短期間で内部統制システムを拡張できる体制整備です。

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4月 27, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その8~

4月1日以降の事業年度から改訂版が適用されることとなった「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」。その中には、監査コストの増大に苦しむ企業側に配慮した表記が随所に盛り込まれています。
そこで本シリーズでは、同基準の改訂のポイントを分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)内部統制監査と財務諸表監査の関係
〔内部統制監査と財務諸表監査の一体的実施〕

(前回からの続き)

また、経営者が行った内部統制の評価の検討に当たっては、監査人は、財務諸表監査の実施過程において、一定の監査証拠を入手していることが通常であると考えられ、その場合には、その利用が可能であることに留意する。
例えば、財務諸表監査において監査人が内外のIT等の専門家を利用する場合において、当該専門家が作成した監査調書等を内部統制監査において、監査証拠として利用することができることに留意する。

●理解ポイント●
企業側のレポーティングの重要性がますます高まります。注目したいのは「監査人は、財務諸表監査の実施過程において、一定の監査証拠を入手していることが通常である」です。つまり、内部統制の実効性を立証できるレポートを定期的に提出することで、年間の監査を効率化できると解釈可能です。
また、社内のシステム管理者が内部統制に関する情報を収集して提出したデータを、そのまま監査根拠として利用できることも明記されています。財務諸表監査において監査人が内外のIT等の専門家を利用する場合において、当該専門家が作成した監査調書等を内部統制監査において、監査証拠として利用することができる」です。監査コスト削減のキーパーソンは、システム管理者と言っても過言ではありません。

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4月 20, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その7~

4月1日以降の事業年度から改訂版が適用されることとなった「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」。その中には、監査コストの増大に苦しむ企業側に配慮した表記が随所に盛り込まれています。
そこで本シリーズでは、同基準の改訂のポイントを分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)内部統制監査と財務諸表監査の関係
〔内部統制監査と財務諸表監査の一体的実施〕

(前回からの続き)
したがって、監査人は、それぞれの会社の状況等に応じ、経営者による内部統制の整備並びに運用状況及び評価の状況を十分理解し、監査上の重要性を勘案しつつ、内部統制監査と財務諸表監査が一体となって効果的かつ効率的に実施する必要があることに留意する。

●理解ポイント●
ここでも、企業側にとって有利な表記が追加されました。「経営者による内部統制の整備並びに運用状況及び評価の状況を十分理解し」です。つまり、企業側が主体的に統制効果の高さを説明できれば、監査業務自体の飛躍的改善が可能となります。監査コストの大幅削減も可能になるでしょう。

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4月 13, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その6~

4月の改訂版適用までいよいよカウントダウンとなった「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」。その中には、監査コストの増大に苦しむ企業側に配慮した表記が随所に盛り込まれています。
そこで本シリーズでは、同基準の改訂のポイントを分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(2)内部統制監査と財務諸表監査の関係

〔内部統制監査と財務諸表監査の一体的実施〕
内部統制監査は、財務諸表監査と一体となって行われることにより、同一の監査証拠をそれぞれの監査において利用するなど効果的かつ効率的な監査が実施されると考えられることから、原則として、当該会社の財務諸表監査に係る監査人と同一の監査人(監査事務所のみならず、業務執行社員も同一であることを求めている。)により行われることとされている。

●理解ポイント●
企業側の監査コスト削減を支援する表記が含まれています。注目したいのは、「当該会社の財務諸表監査に係る監査人と同一の監査人(監査事務所のみならず、業務執行社員も同一であることを求めている。)により行われること」です。
実際の監査において、監査法人などから多くの要員を投入することが、間接的に否定されています。これにより、監査プロセスの効率化と関連コスト増大の抑止を図っているものと考えられます。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
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4月 6, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その5~

経営コスト削減の観点からも、多くの企業で対応を迫られる内部統制監査コスト削減。そんな多くの企業の要望に応えるように、この4月から「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」で改訂版が適用されます。
そこで本シリーズでは、同基準の改訂のポイントを分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(1)内部統制監査の目的

〔経営者による財務報告に係る内部統制の評価の理解・尊重〕
前回の(1)に続き、(2)と(注)を再掲します。

(2)監査人は、経営者による会社の状況等を考慮した内部統制の評価の方法等を適切に理解・尊重した上で、内部統制監査の基準・実施基準等の内容や趣旨を勘案して内部統制監査を実施する必要があり、各監査人の定めている監査の手続や手法と異なることをもって、経営者に対し、画一的にその手法等を強制することのないよう留意する。

●理解ポイント●
ここでも、あくまでも内部統制とは企業側が行うものであって、監査法人が行うものではないことが表記されてます。また、監査法人は企業(顧客)に対して、画一的な内部統制システムの導入を強制できないことも念押しされています。
「経営者からの相談に対しては、内部統制の有効性を保ちつつ、特に効果的かつ効率的な内部統制の構築や評価を行うとの観点から、適切な指摘を行う必要があることに留意する。」この表記からも分かる通り、監査法人が提唱するシステムを丸呑みする必要はありません。内部統制システムの整備から、有効性を立証する手法まで、経営者や現場のシステム管理者が自らの考えで構築できるということなのです。

いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
なお、クオリティでは内部統制システムの評価システムに活用できるモニタリングツール「QOH」とレポーティングツール「eX Report」をご用意しています。
詳細は、クオリティのWebサイトにてご確認ください。

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次回も引き続き、「新局面、内部統制システム」をお届けします。

3月 30, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その4~

経営コスト削減の観点からも、多くの企業で対応を迫られる内部統制監査コスト削減。そんな多くの企業の要望に応えるように、この4月から「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」で改訂版が適用されます。
そこで本シリーズでは、同基準の改訂のポイントを分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(1)内部統制監査の目的

〔経営者による財務報告に係る内部統制の評価の理解・尊重〕
前回の(1)に続き、(2)と(注)を解説します。

(2)監査人は、経営者による会社の状況等を考慮した内部統制の評価の方法等を適切に理解・尊重した上で、内部統制監査の基準・実施基準等の内容や趣旨を勘案して内部統制監査を実施する必要があり、各監査人の定めている監査の手続や手法と異なることをもって、経営者に対し、画一的にその手法等を強制することのないよう留意する。

●理解ポイント●
上記内容で特に重要なのは、「各監査人の定めている監査の手続や手法と異なることをもって、経営者に対し、画一的にその手法等を強制することのないよう留意する。」です。今回の改訂では、監査法人の画一的な監査手法に、企業側は従う必要が無いことが表記されています。また、監査法人も、強制することができません。
言い換えれば、内部統制の有効性を立証する手法は、経営者や現場のシステム管理者の手で自ら考えることができます。効率的な手法によって、監査工数を削減することも可能となります。今回の改訂をチャンスととらえ、中長期的な視点で、次年度からの新たなシステム整備に取り組む必要があります。

(注)監査人は、経営者の評価結果を利用する場合を除き、経営者の評価方法を具体的に検証する必要はないことに留意する。
ただし、事業規模が小規模で比較的簡素な構造を有している組織等の内部統制監査の実施に当たっては、監査人は、当該会社の内部統制の構築や評価において経営資源配分上の制約が大きい場合があることを踏まえ、経営者からの相談に対しては、内部統制の有効性を保ちつつ、特に効果的かつ効率的な内部統制の構築や評価を行うとの観点から、適切な指摘を行う必要があることに留意する。

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3月 23, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その3~

いよいよ、この4月から改訂が適用される、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」。本シリーズでは、同基準の改訂のポイントを分かりやすく解説しています。
さて、今回から、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目したいと思います。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

〔経営者による財務報告に係る内部統制の評価の理解・尊重〕
今回の改訂では、以下の表記が新たに追加されました。長文ですので、改訂案の原文を3つに分割して解説します。 

(1)内部統制監査においては、内部統制の有効性の評価結果という経営者の主張を前提に、これに対する監査人の意見を表明するものであり、この経営者の内部統制の有効性の評価に当たっては、経営者が、それぞれの会社の状況等に応じて、自ら適切に工夫しつつ、内部統制の整備及び運用状況の検証を行っていくことが期待される。

●理解ポイント●
改訂案では、経営者(=企業サイド)が主体的に内部統制システムを構築し、システムの実効性を立証することが要求されています。間接的に、監査法人への丸投げスタイルが否定されていると考えられます。国は、経営者と企業に、内部統制に関して主体的に取り組むことを要求しているのです。
また、監査法人への丸投げスタイルから脱却できれば、監査法人の監査工数を削減できます。工数削減によって、内部統制監査コストの削減も可能になります。企業サイドには、内部統制監査の手法とプロセスの双方の改善に取り組む強い姿勢が求められます。

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3月 16, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その2~

いよいよ、この4月から改訂が適用される、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」。本シリーズでは、同基準の改訂のポイントを分かりやすく解説しています。
さて、今回から、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目したいと思います。

◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)

(1)内部統制監査の目的
〔内部統制監査の目的〕

本基準に基づく内部統制監査の目的は、経営者の作成した内部統制報告書が、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠して、適正に表示されているかについて、監査人が意見表明することにある。
すなわち、内部統制監査においては、内部統制の有効性の評価結果という経営者の主張を前提に、これに対する監査人の意見を表明するものであり、経営者の内部統制の有効性の評価結果という主張と関係なく、監査人が直接、内部統制の整備及び運用状況を検証するという形はとっていない。

(注)この点について、米国では、現在、直接報告業務(ダイレクト・レポーティング)が採用されているが、我が国においては、直接報告業務を採用しないこととしている。しかしながら、内部統制監査において監査人が意見を表明するに当たって、監査人は自ら、十分かつ適切な監査証拠を入手し、それに基づいて意見表明することとされており、その限りにおいて、監査人は、企業等から、直接、監査証拠を入手していくこととなる。

●理解ポイント●
改めて押さえておきたいのは、実施基準において内部統制の評価に係るデータは 基本的に経営者(=企業サイド)が収集するものであると定義されている点です。 監査人(=監査法人)が、最初から直接データを収集して分析するなどの手法やプロセスは想定されていません。
監査法人の立場としては、あくまでも提出された情報やデータを分析して判断する客観性が求められています。不正行為が発生しない体制整備の責任と情報収集、監査法人への提出と立証は経営者(=企業サイド)の責任領域です。 監査法人への丸投げ体質は、実施基準で許可されていません。

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3月 9, 2011 ■新局面、内部統制システム■ |

■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その1~

相次いで上場企業で不正会計が発覚するなど、改めて内部統制システムの実効性が問われた2010年。こうした実状も踏まえて、すでに金融庁は動き出しています。同庁では、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」の改訂に向けて最終審議が進められています。
さる12月にはWebサイトで、公開草案が公開されました。新シリーズでは、改訂のポイントと企業サイドに要求される対応ポイントを分かりやすく解説します。まず第1回目は、改訂の主な内容をまとめたいと思います。

■1.主な改訂の内容

(1)企業の創意工夫を活かした監査人の対応の確保
◎経営者が創意工夫した内部統制の評価方法・手続等について、監査人の理解・尊重
◎中堅・中小上場企業に対する監査人の適切な「指導的機能」の発揮
◎内部統制監査と財務諸表監査の一層の一体的実施を通じた効率化

今回の改訂によって、企業サイドが構築した評価方法を、そのまま内部統制の評価方法として利用できる可能性が高まります。監査法人への「丸投げ」体質から脱却する絶好のチャンスです。また、これにより内部統制監査コストの大幅な削減も可能になると考えられます。

(2)内部統制報告制度の効率的な運用手法を確立するための見直し
◎企業において可能となる評価方法・手続等の簡素化・明確化
(例)毎年、各業務プロセスごとに行われている評価手続のローテーション化
◎「重要な欠陥」の判断基準等の明確化
◎中堅・中小上場企業に対する評価方法・手続等の簡素化・明確化
(例)必ずしも、組織内における各階層で内部統制の評価を行わないことができること等を明確化

(3)「重要な欠陥」の用語の見直し
◎「重要な欠陥」の用語は、企業自体に「欠陥」があるとの誤解を招くおそれがあるとの指摘があり、「開示すべき重要な不備」と見直し

■2.適用時期

◎改訂基準及び実施基準は、平成23年4月1日以後開始する事業年度における内部統制の評価及び監査から適用

今年の4月1日以後開始の事業年度において、適用が予定されています。つまり、この春からの新年度で内部統制システムの評価システムを新たに整備できれば、内部統制監査コストを大幅に削減できる可能性があると考えられます。

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