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■電気料金、大幅値上げへ!!■
東京電力と原子力損害賠償支援機構の「特別事業計画」

さる11月15日、東京電力は、政府の原子力損害賠償支援機構から、5,587億円の資金交付を受けたと発表しました。この資金交付にあたって、「特別事業計画」が政府認定されました。果たして、同計画にはどのような内容が記述されているのでしょうか。
そこで今回は同計画の、特に電気料金に影響するポイントに着目したいと思います。

◎特別事業計画

原子力損害賠償機構と東京電力が、共同で認可申請し、政府が内容を認定しました。
紙にも記述されている通り、原発事故被害者に対する迅速な賠償を最重視しています。

特別事業計画
―「親身・親切」な賠償の実現に向けた「緊急特別事業計画」―

平成23年10月28日
原子力損害賠償支援機構
東京電力株式会社

※経済産業省のWebサイトで公開されています。
http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111104002/20111104002-3.pdf

◎要賠償額

計画の中では、賠償額を「 1兆109億800万円」として申請を行った旨が記述されています。

※計画書P13:上段
東電は、上記の中間指針に沿った賠償基準に基づき、現時点で可能な範囲において、合理性を持って確実に見込まれる賠償見積額を算定した結果を踏まえて、機構に対し、要賠償額の見通しを 1兆 109億800万円とする資金援助の申請を行った。

しかし、この要賠償額が、実は「確定値」でないことも、記述されています。

※計画書P13:中段

上記の東電の賠償基準に示す損害項目の中には、被害の実態が把握できない、今回の事故との相当因果関係のある範囲がまだ明確にならない等、現時点では合理的な見積もりが難しく、当該算定の対象となっていないものもある。

これらの損害項目に関する状況把握の進展をはじめとして、被害者の方々との合意等によって個別具体的な損害賠償額が明らかになる等、現時点では合理的に見積もれない損害賠償額が明らかになる等の状況変化が生じた場合には、迅速な損害賠償に万が一にも支障が生じることのないよう、必要に応じて「緊急特別事業計画」の「要賠償額の見通し」について変更申請を行うこととする。

つまり、賠償額が増加する可能性が示唆されており、今後、原子力損害賠償機構から追加で資金が交付される可能性が高いと考えられます。

◎東京電力の返済義務

東京電力には、原子力損害賠償機構に対して返済義務が生じます。今回交付を受けた5,587億円に関しては、返済し続けなければなりません。また、今回の資金が「原発事故賠償」に特化していることも大切な点です。中長期的に、莫大な金額になりそうな「除染費用」も、含まれていません。

◎電気料金への影響

同計画の中で、東京電力は平成23年度の単年度で2,374億円のコスト削減を実施することが記述されています。しかし、機構からの交付資金との差額は3,000億円。この3,000億円を中長期的に確保する必要があります。近々、電気料金が大幅に値上げされる可能性が、ますます現実味を帯びてきたと言っても過言ではありません。
いかがでしょうか。特別事業計画のポイントを、ご理解いただけたでしょうか。
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次回も引き続き、「電気料金、大幅値上げへ!!」をお届けします。

12月 21, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~東京電力に関する経営・財務調査委員会「委員会報告書」 その4~

さる11月15日、東京電力が原子力損害賠償支援機構から5,587億円の交付を受けたことを発表しました。深刻な資金ショートの状態を回避するための交付ですが、果たして今後10年という視点で、東京電力は円滑に資金を調達できるのでしょうか…。また今後、電気料金の値上げはどの程度、考えられるのでしょうか。
そこでシリーズ今回も、東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」の中で行われた事業計画シミュレーションに注目したいと思います。

同報告書の中で、今後10年間の東京電力の資金調達に関するシミュレーションが行われています。
    ※報告書:当該ページは P.103~105です。
    ※報告書は以下のURLからダウンロードできます。
   http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html

◎10%でも足りない、値上げ幅

シミュレーションの値上げ設定数値は上限10%。しかし10%値上げであっても、深刻な資金ショートが起こることが明確になりました。「原子力発電所稼動×電気料金10%値上げ」というケースでも、約8,000億円の調達が必要になります。
委員会報告書では原子力発電所を稼動しない場合に関して、「著しい料金値上げを実施しない限り、当該前提で事業計画の策定を行うことは極めて困難な状況にあると思料される」と解説されています。状況によっては、10%をはるかに上回る電気料金の値上げが発生する可能性が考えられます。

◎見逃せない、注釈文

同報告書の中で、もう一つ注目したいのは、シミュレーションの注釈文です。「料金値上げ後の値下げについては考慮しない」という一文が追加されています。今回のシミュレーションは一度5%、もしくは10%の値上げをし、その価格を維持した場合を基本としています。
政府が同報告書の提言内容を重視する意向を持っていることを考慮すると、一度大幅値上げされると、値下げされる可能性は低い、ということが考えられます。こうした点からも、企業は1~2年の短期間ではなく、10年単位の長期的視点による抜本的な省エネ対策が不可欠と言えるでしょう。

いかがでしょうか。委員会報告書での指摘内容を、ご理解いただけたでしょうか。
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12月 14, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~東京電力に関する経営・財務調査委員会「委員会報告書」 その3~

さる11月15日、東京電力が原子力損害賠償支援機構から5,587億円の交付を受けたことを発表しました。深刻な資金ショートの状態を回避するための交付ですが、果たして今後10年という視点で、東京電力は円滑に資金を調達できるのでしょうか…。また今後、電気料金の値上げはどの程度、考えられるのでしょうか。
そこでシリーズ今回は、東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」の中で行われた事業計画シミュレーションに注目したいと思います。

◎委員会報告書で明らかになった、深刻な資金不足

同報告書の中で、今後10年間の東京電力の資金調達に関するシミュレーションが行われています。
※報告書:当該ページは P.103~105です。
※報告書は以下のURLからダウンロードできます。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html

4 今後10年の数値ベースの事業計画及び資本政策の検討
4.1 今後10年の事業計画シミュレーション及び資金調達方法
(3) 試算結果と資金調達方法

また、料金改定の影響額をみると、原子力発電所稼働ケースでは、5%値上げでは当期利益で1 兆5,075 億円、現預金で1 兆4,897 億円の増収増益効果があると試算され、10%値上げでは当期利益で3 兆108 億円、現預金で3 兆284 億円の増収増益効果があると試算された。以下同様に、1 年後原子力発電所稼働ケースでは5%値上げは当期利益で1 兆4,989 億円、現預金で1 兆5,575 億円の増収増益効果が、10%値上げは当期利益で3 兆57 億円、現預金で3 兆862 億円の増収増益効果が、原子力発電所非稼働ケースでは5%値上げは当期利益で2 兆2,715 億円、現預金で2 兆2,565 億円の増収増益効果が、10%値上げは当期利益で4 兆1,965 億円、現預金で4 兆4,186 億円の増収増益効果が、それぞれあるものと試算された。

この結果、原子力発電所稼働ケースでは、①料金改定(値上げ)なし、②5%値上げ、③10%値上げ、のいずれのパターンにおいても、実態純資産調整項目考慮前の段階で資産超過が維持できると試算されたが、原子力発電所の稼動時期が遅れるとともに、徐々に純資産が減少するリスクが拡大する試算結果となった。他方、資金面では原子力発電所稼働ケース、1 年後原子力発電所稼働ケースともに、料金値上げの状況に応じて約7,900 億円から約4 兆3,000 億円の不足資金が発生することから、資金調達策の検討が必要な状況となっている。

さらに、原子力発電所非稼働ケースにおいては、上記の料金値上げのパターンに応じて、約4 兆2,000 億円から約8 兆6,000 億円の資金調達が必要との結果が出ており、著しい料金値上げを実施しない限り、当該前提で事業計画の策定を行うことは極めて困難な状況にあるものと思料される。

◎原子力発電所が稼動した場合でも、多額の資金調達が必要に

シミュレーションのポイントをまとめると、以下のようになります。

1)原子力発電所を稼働させた場合
●値上げ無し→約3兆8,000億円不足
●5%値上げ→約2兆3,000 億円資金不足
●10%値上げ→約8,000 億円資金不足

2)1年後に原子力発電所を稼働させた場合
●値上げ無し→約4兆3,000億円不足
●5%値上げ→約2兆8,000億円資金不足
●10%値上げ→約1兆3,000 億円資金不足

3)原子力発電所を稼動させない場合
●値上げ無し→約8兆6,000億円不足
●5%値上げ→約6兆4,000億円不足
●10%値上げ→約4兆3,000 億円資金不足

このシミュレーション結果の数値を並列比較すると、原子力発電所が再稼働した場合も、東京電力の資金ショートは確実ということが分かります。中でも最も深刻なケースは、「原子力発電所非稼動×電気料金値上げ無し」です。今後10年間で、約8兆6,000億円もの資金調達が必要になります。また、原子力発電所を再稼動した場合でも、値上げ無しの場合、約3兆8,000億円の調達が必要になります。やはり、値上げは避けられない状況にあると考えられます。

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12月 7, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |

■電気料金、大幅値上げへ!!■
~東京電力に関する経営・財務調査委員会「委員会報告書」 その2~

さる10月28日、早々と12月の電気料金値上げが発表されました。東京、中部、関西、九州の電力各社は、11月分からさらに値上げとなりました。ですが 今後、一層の大幅値上げが考えられます。本シリーズでは、大幅値上げに発展する可能性のある様々な要因を分かりやすく解説しています。システム管理者のみ なさんも、全社のITのエネルギーコストを考える上で、ぜひ理解してください。今回も引き続き、東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」の内容に 着目します。

◎東京電力に関する経営・財務調査委員会の「委員会報告書」

さる10月3日、政府の東京電力に関する経営・財務調査委員会が、委員会報告書を公表しました。同委員会は、東京電力の経営・財務の調査を行い、厳正な資 産評価と徹底した経費の見直し等を行うことを目的にスタートしました。野田首相も報告書の内容を重視する旨を、委員会で名言しています。さて、この報告書 の中でも、電気料金のもとになる「総原価」の内容が課題視されています。

※報告書はこちらからダウンロードできます。

◎委員会報告書での指摘ポイント

報告書での指摘ポイント(2)
■営業費用の適正性について
総原価の対象とする営業費用については、電気の安定供給に真に必要な費用に限定し、それ以外の費用(例えば、オール電化推進関係費や広告宣伝費、寄付金、団体費等)は総原価の対象から外し、自由化部門を含めた収益の範囲で企業が自主的判断に基づいて実施すべきではないか。

これまで総原価には、実はオール電化推進関連費や広告宣伝費、自治体への寄付金も含まれてきました。調査委員会の報告書では、これらを総原価の構成要素から外すべきであると指摘しています。電気の安定供給に「真に必要な費用に限定すべき」と提言されています。もし総原価の構造が改善されない場合、実際の電気利用者である企業や個人が、前述のようなコストを負担し続けることになるのです。

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12月 1, 2011 ■電気料金、大幅値上げへ!!■ |