■新局面、内部統制システム■
~実施基準改訂を、チャンスに変えるために その21~
6月発表の財務省と内閣府による、4~6月期の法人企業景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-22.0と大幅悪化しており、日本企業の経営環境は今後ますます厳しくなることが予想されます。全ての日本企業にとって、経営コストの削減が最大の急務です。
そこで一つの大きな契機にしたいのが、4月からの「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」改訂版適用です。本シリーズでは同基準改訂版のポイントを、企業経営者、そしてシステム管理者のみなさんに向けて分かりやすく解説しています。今回も引き続き、「財務報告に係る内部統制の監査」の具体的な中身に注目します。
◎財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準◎
III. 財務報告に係る内部統制の監査(改訂案)
(3)内部統制の開示すべき重要な不備の報告と是正
◎開示すべき重要な不備等の報告
〔内部統制監査で発見した開示すべき重要な不備等の報告〕
監査人は、監査の過程で開示すべき重要な不備を発見した場合には、その内容を、経営者に報告して是正を求めなければならない。
また、監査人は、当該開示すべき重要な不備の内容を経営者に報告した旨を、取締役会及び監査役又は監査委員会に報告しなければならない。
監査人は、開示すべき重要な不備以外の不備を積極的に発見することを要求されてはいないが、監査の過程において、財務報告に係る内部統制のその他の不備を発見した場合には、適切な管理責任者に適時に報告しなければならない。
監査人による報告では、報告の対象となる不備が内部統制の不備、開示すべき重要な不備のいずれに区別されるのかを明らかにしなければならない。ただし、迅速な報告が必要であると判断した場合に、その時点では当該区別を明らかにしないですみやかに報告し、当該区別については、改めて報告するということも考えられる。
●理解ポイント●
ここで注目したいのは、「迅速な報告が必要であると判断した場合に、その時点では当該区別を明らかにしないですみやかに報告し、当該区別については、改めて報告するということも考えられる。」です。
つまり、不備が発生している区分が明らかでない段階で監査法人から報告(≒指摘)を受けた場合、現在の内部統制システムには明らかに不備があり、細かい検証と実際のシステム改修が確実となり、短期間で多くの追加工数が必要になると推測されます。また、検証作業にともない監査コストの大幅な上昇も考えられます。
万一の場合、企業ブランドを守り、ステークホルダーとの信頼関係を維持し、監査コストを抑えるためにも重要なのは、いかにスピーディーに不備を解消するかです。こうした観点からも、社内のシステム管理部に内部統制を詳しく理解した専門家を、確実に養成しておくことが求められます。
いかがでしょうか。実施基準改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか。
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次回も引き続き、「新局面、内部統制システム」をお届けします。
7月 27, 2011 ■新局面、内部統制システム■ | Permalink


