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■グリーンITを正しく読むために■
グリーンITの背景(29)
~ 中期目標検討委員会の行方(4) ~

グリーンITの今後にも多大な影響を与える、政府の「中期目標検討委員会」。前回に引き続き、同委員会の第3回検討内容に注目したいと思います。

■2020年対策ケース実現の姿:オフィス

国立環境研究所AIMチームの資料では、2020年の中期目標達成に向けて、家庭の機器・設備、住宅、自動車、工場、オフィス、発電所などで具体的にどのようなシステムや機器が必要か、そのポイントが提示されています。ここでは、オフィスに関して注目します。

オフィス等:最先端の省エネ機器の急速な普及

ポイント(1)建築物の断熱性能の向上
ポイント(2)エネルギー効率の高い給湯器の導入
ポイント(3)業務用の空調機器の高効率化
ポイント(4)業務用の電力消費機器(照明、IT機器等)の高効率化

ここで注目したいのは、ポイント(4)です。

客観的に考えて、導入策(1)~(3)はディベロッパーやビルオーナーとの協力関係が前提となりますが、(4)は企業単独で導入が可能となります。今後、法整備も含めて、導入策(4)を浸透させる動きが活発化することが予想されます。現在は一部のメガバンクのみですが、政府と多くの金融機関が今後連動して、企業の省エネに対する取り組み姿勢が、融資時の審査項目としてますます重視される可能性があります。現在では、内部統制に対する取り組み状況が、多くの金融機関の審査項目に加わっています。同様の広がりを予想できます。いち早い着手が、必要です。

■低炭素社会・経済への大転換

国立環境研究所AIMチームの資料の中には、いわば「日本版グリーン・ニューディール政策」の骨格とも言うべき今後の経済政策に関する提言も盛り込まれています。提言には、具体的に4つの目指すべきゴールが明確化されています。

(1)温室効果ガス排出削減
化石燃料使用量を減少し、科学的に必要とされる排出削減を達成

(2)エネルギー自給率の向上
◎化石燃料輸入量を減少し、年間約20兆円の資金流出の抑制
◎国内資源の活用によるエネルギー安全保障の確保

(3)内需拡大・雇用創出
◎環境産業を新たな成長産業に
◎国際競争力の強化

(4)地域活性化地域活性化
◎太陽光、森林等の地域固有のエネルギー資源を「緑の油田」として活用
◎公共交通機関の充実など低炭素型地域づくり

この提言の中で注目すべきは、「(2)エネルギー自給率の向上」です。外国からの石油、石炭、天然ガスなど化石燃料の購入料金を、海外への資金流出として捉えています。国内でのエネルギー資源開発が進めば、現在の流出資金を有効的に活用できるという訳です。言い換えれば、年間20兆円の資金を福祉や教育に活用できるのです。

やはり長期的なエネルギー政策の視点から、太陽光発電などを爆発的に普及させる方向へ動くと考えられます。同時に、財源確保に向けた電気利用者の負担増が予想されます。企業にとって、省エネはもはや命題の一つです。一刻も早い決断と実行が重要です。

いいかがでしょうか。温室効果ガス中期削減目標の決定にともない、今後全ての企業、システム管理者にとって、ますます省エネとエネルギーコスト削減が一層重要なテーマとなりそうです。

なお、クオリティではCO2削減、省エネに積極的に取り組む企業をサポートする「QAW/QND Plus グリーンITソリューション」をご用意しています。詳細は、クオリティ テクノロジーサイトをご覧ください。

Dr.QがITサプリをお届けしました。
次回も引き続き、グリーンITの背景をお届けします。

2月 25, 2009 グリーンITを正しく読むために |

■グリーンITを正しく読むために■
グリーンITの背景(28)
~ 中期目標検討委員会の行方(3) ~

2009年2月16日、日本政府は国連の気候変動枠組条約事務局に対して、意見書を提出しました。内容は、ポスト京都議定書に該当する2013年以降の先進国の温室効果ガス削減目標に関して。

これは、中国などを京都議定書不参加国を牽制する政治戦略の意味合いが強いと考えられます。もちろん、その一方で中期目標策定に向けて、国内の議論も活発に行われています。

この中期目標に関しては、実質負担増が予想される企業は、特に注視する必要があります。グリーンITの今後にも多大な影響を与える、政府の「中期目標検討委員会」。前回に引き続き、同委員会の第3回検討内容に注目したいと思います。

■(独)国立環境研究所AIMチーム提出資料に着目

今回は、さる1月23日に行われた第3回中期目標検討委員会に提出された(独)国立環境研究所AIMチームの提出資料にもう少し着目したいと思います。提出資料の中で、同研究所が中期目標達成に向けて、国内企業などに対してどのような新たな負担を想定しているのかに注目します。

■2020年の目標達成に向けて重視すべき施策の4つの柱

国立環境研究所AIMチームの資料では、2020年の目標達成に向けて、基本的に国内で4つの施策を実施することが重要であることが明記されています。

施策(1)トップランナー制度の強化
目的:全ての部門で世界最高水準の効率

具体策(1) トップランナー規制の強化
具体策(2) ベンチマーク制度の導入など

施策(2)見える化の徹底
目的:的確な選択を促進する情報開示

具体策(1) 商品・サービスの排出量表示制度の導入
具体策(2) カーボンオフセット等と組み合わせた経済的にメリットのある仕組みの構築
具体策(3) 電力消費リアルタイム表示の普及等など

施策(3)炭素への価格付け
目的:削減努力が経済的に報われる仕組み

具体策(1) 排出量取引の導入
具体策(2) 税制のグリーン化・環境税など

施策(4)技術開発・普及のための制度構築と支援
目的:戦略的な技術の開発・普及のための制度構築と支援

具体策(1) RPS制度強化、固定価格買取制度導入
具体策(2) グリーン購入・政府の率先導入推進
具体策(3) 住宅・建築物の省エネ基準の義務化・強化など

ここで企業として最も注目すべきは、基本施策(3)です。「炭素への価格付け」として、環境税の導入が盛り込まれています。毎月の消費電力などに応じて、新たに税金を課す制度です。今後の電気料金の実質値上げが、ますます現実味を帯びてきました。省エネが、企業にとって重要な経営課題となりそうです。

いいかがでしょうか。温室効果ガス中期削減目標の決定にともない、今後全ての企業、システム管理者にとって、ますます省エネとエネルギーコスト削減が一層重要なテーマとなりそうです。

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次回も引き続き、グリーンITの背景をお届けします。

2月 18, 2009 グリーンITを正しく読むために |

■グリーンITを正しく読むために■
グリーンITの背景(27)
~ 中期目標検討委員会の行方(2) ~

オフィスや企業への負担増、そしてグリーンITにも大きく影響を与える日本の中期目標は、発表の6月に向けて、具体的にどのような内容が検討されているのでしょうか。先週に引き続き、今週も第3回中期目標検討委員会での検討内容を分かりやすく解説したいと思います。

■省エネ投資に対する減税での還元

炭素税での税収を減税で還元しなければ、炭素税がGDPに悪影響を与えるだけで終わるとも資料で報告されています。GDPへの悪影響を最小限に抑えつつ、CO2削減を持続させるには、グリーンITなど省エネ関連への設備投資などを行った企業、またCO2削減数値目標をクリアした企業などに対して、積極的に減税を行うことが重要だと解説されています。

■消費エネルギー見える化の重要性

また委員会で提出された別の資料では、特に消費エネルギーの「見える化」がエネルギー消費削減には極めて重要であると提唱されています。

◎見える化の徹底:3つの柱

(1)製品のLCAデータの「見える化」
製品のライフサイクル(製造、流通、使用等の全ての段階)におけるCO2排出量をラベル等に表示

(2)買い換え効果の「見える化」
店頭で、自宅の機器との買い換えによるCO2削減効果、費用削減効果などを、簡単に確認

(3)リアルタイムの「見える化」
現在の消費エネルギー、CO2排出量などをリアルタイムで表示

このような見える化を社会標準へと進めることで、エネルギー消費に対する意識を改善し、最終的にCO2削減を推進させようとしています。義務化に向けた動きが活発化することも予想されます。

■企業に要求される、省エネへの取り組み

今回の委員会での検討内容が、中期目標決定に向けての軸になります。特に近年エネルギー消費量を飛躍的に伸ばし、CO2排出量が激増している業務系オフィスが、炭素税の課税対象として検討される可能性が高いことは言うまでもありません。企業にとって、省エネがますます重要な経営課題となりそうです。

■地球温暖化問題に関する懇談会中期目標検討委員会

同委員会での議論された内容などは、首相官邸のWebサイトでも公開されています。一度目を通しておくことをおすすめします。

※地球温暖化問題に関する懇談会中期目標検討委員会(第3回)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tikyuu/kaisai/dai03tyuuki/03gijisidai.html

いいかがでしょうか。温室効果ガス中期削減目標の決定にともない、今後全ての企業、システム管理者にとって、ますます省エネとエネルギーコスト削減が一層重要なテーマとなりそうです。

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2月 12, 2009 グリーンITを正しく読むために |

■グリーンITを正しく読むために■
グリーンITの背景(27)
~ 中期目標検討委員会の行方(1) ~

さる1月31日、世界経済フォーラム年次総会(通称:ダボス会議)で、2020年ごろまでの温室効果ガス排出量削減の「中期目標」に関して、EUから再度プレッシャーをかけられた日本。デンマークのラムセン首相が首相会談で、「EUはグローバルな合意がなされれば、30%削減の用意がある」と一刻も早く目標発表を催促するなど、世界が日本の中期目標の発表に注目しています。

オフィスや企業への負担増、そしてグリーンITにも大きく影響を与える日本の中期目標は、発表の6月に向けて、具体的にどのような内容が検討されているのでしょうか。今回は、1月23日に開催された第3回中期目標検討委員会での検討内容を分かりやすく解説したいと思います。

■CO2抑制策としての炭素税

委員会では非常に多くの資料が提出されています。中でも、企業やオフィスが特に注目すべきは、中期目標決定にともなって発生する「新たな負担」ですね。今回の委員会では、「CO2:1トン当たり1万円の炭素税」という衝撃的なプランが提出されています。つまり、オフィスの電気などのエネルギー消費をCO2換算し、公平に炭素税を負担するというプランです。

この課税基準で炭素税を導入した場合、エネルギー需要は10年後にはおよそ基準ケース比8%程度減り、炭素含有量の多い石炭からよりクリーンな天然ガスへとシフトも進むため、CO2排出量は基準ケース比18%減少するとシミュレーションされています。確かに、目標達成にも非常に効果的です。

より低い課税額 、「CO2:1トン当たり5,000円の炭素税」という基準では、10年後のCO2排出量は半分の9%しか削減できないことが報告されています。

基準額は別として、税の公平性という面からも、この炭素税はやはり非常に説得力のある手法だと考えられます。

いいかがでしょうか。次回も引き続き中期目標検討委員会の行方についてお話していきます。

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2月 4, 2009 グリーンITを正しく読むために |