■内部統制報告制度、2年目を読み解く■
~日本公認会計士協会「平成21年3月期の内部統制監査に関するアンケート調査結果」に注目 その3~

さる12月に日本公認会計士協会から公表された「平成21年3月期の内部統制監査に関するアンケート調査結果」。今回も引き続き、同調査結果を通して、現在の内部統制の課題と監査法人のホンネを考えたいと思います。
第3回目の今回は、アンケート「Q4」に着目します。

●Q4-1/選択設問●
監査責任者の視点から、財務諸表監査と内部統制監査を一体的に行うことにより財務諸表監査が効果的かつ効率的に実施されたと思いますか。

■監査責任者のホンネ(1)現在の監査方法の効率性■
Q4-1の設問に対して、回答の選択肢と、回答数から、監査法人が考える現在の監査方法の効率性に関する評価をランク付けしてみました。

第1位:効果的かつ効率的に実施されたと思う(48.1%)
第2位:どちらとも言えない(34.7%)
第3位:効果的かつ効率的に実施されたと思わない(9.5%)
第4位:十分に効果的かつ効率的に実施されたと思う(6.3%)
第5位:まったく効果的かつ効率的に実施されたと思わない(1.4%)

この回答から、非常に重要なポイントがクリアになります。注目していただきたいのは、「どちらとも言えない」「効果的かつ効率的に実施されたと思わない」「まったく効果的かつ効率的に実施されたと思わない」の3つの回答率を合計すると、約50%となる点です。実は監査法人自身も、現在の監査方法の効率性に疑問を感じていることが分かります。
少々荒っぽい理論ですが、上場企業の約50%は、監査方法や監査プロセスをもっと効率的に改善できる可能性があるということも考えられます。言い換えれば、企業サイドが、監査法人に一任することなく、積極的に主張と発言を行うことで、監査プロセスをリードできるということです。

いかがでしょうか。2年目の内部統制、課題と対策をご理解いただけたでしょうか。尚、クオリティではIT統制の重要な基盤としてフル活用できる「QAW/QND Plus」をご用意しています。詳細は、クオリティのWebサイトにてご確認ください。

Dr.QがITサプリをお届けしました。
次回も引き続き、「内部統制報告制度、2年目を読み解く」をお届けします。

2月 8, 2010 内部統制報告制度、2年目を読み解く |

■内部統制報告制度、2年目を読み解く■
~日本公認会計士協会「平成21年3月期の内部統制監査に関するアンケート調査結果」に注目 その2~

さる12月、日本公認会計士協会から、「平成21年3月期の内部統制監査に関するアンケート調査結果」が公表されました。同調査の対象は、上場企業の監査責任者。監査責任者とは、いずれも客観的な立場から上場企業の内部統制の実状を見ている監査法人のため、現在の内部統制の課題と監査法人のホンネがクリアになります。今回は、前回に引き続き、同アンケートの「Q3」に注目したいと思います。

●Q3-2/記述設問●
前問で選択した項目について、最も苦労したと思うことの内容をご記入ください。

■監査責任者のホンネ(2)IT統制の実効性評価で苦労したポイント■
Q3-2に対して、次の7つの記述がされています。Q3-1とは異なり「記述設問」のため、一層リアリティのあるホンネを感じ取ることができます。  
※「その他」の記述は除いています。

第1位:IT全般統制の評価の検討に苦労した
第2位:被監査会社の評価作業が遅延したため苦労した
第3位:被監査会社が小規模で、IT関連の規程がないことやITに関する専門家がいないために苦労した
同3位:対象とするプロセス数が多く、ITシステムが広範囲かつ複雑であるため苦労した
第5位:ITに係る内部統制の有効性の判断等の基準が明確でないため苦労した
同5位:ITに係る内部統制について被監査会社との見解の相違や調整に苦労した
同5位:被監査会社のIT知識が十分でなかったため苦労した

注目したいのは、第2位と第3位の記述です。監査責任者は、明らかに企業側の準備不足と体制の不備を指摘しています。平成21年3月期の上場企業の大半で、監査コストが急上昇したことは数多くのメディアで報道されていますが、実はその大きな要因は企業サイドにもあったことが分かります。
企業サイドとして認識すべき大切なポイントは、監査責任者の「苦労した」は、監査業務自体の長期化につながる可能性が極めて高いということです。最終的に年間監査コストの高額化につながってしまいます。次年度の監査コストへの影響も及ぼすことになるでしょう。
やはり、内部統制報告制度2年目、そして春からはじまる3年目に要求されるのは、企業サイドのIT統制の実効性に関する立証力です。そのためにも、定期的にレポートを提出できるエビデンス体制の整備が、ますます重要になってくると考えられます。

いかがでしょうか。2年目の内部統制、課題と対策をご理解いただけたでしょうか。尚、クオリティではIT統制の重要な基盤としてフル活用できる「QAW/QND Plus」をご用意しています。詳細は、クオリティのWebサイトにてご確認ください。

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次回も引き続き、「内部統制報告制度、2年目を読み解く」をお届けします。

1月 29, 2010 内部統制報告制度、2年目を読み解く |

■内部統制報告制度、2年目を読み解く■
~日本公認会計士協会「平成21年3月期の内部統制監査に関するアンケート調査結果」に注目 その1~

さる12月、日本公認会計士協会から、「平成21年3月期の内部統制監査に関するアンケート調査結果」が公表されました。同調査の対象は、上場企業の監査責任者。監査責任者とは、いずれも客観的な立場から上場企業の内部統制の実状を見ている監査法人のため、現在の内部統制の課題と監査法人のホンネがクリアになります。まず第1回目の今回は、同アンケートの「Q3」に注目したいと思います。

●Q3-1/選択設問●
 内部統制監査の初年度を終えて、監査責任者の立場からみて、監査チームが内部統制監査において、最も苦労したと思うことは何でしょうか。

■監査責任者のホンネ(1)苦労したポイント■
Q3-1の回答数から、苦労したポイントをランク付けしました。ベスト10です。
※「その他」および「特にない」の選択肢と回答数は除いています。

第1位:業務プロセスに係る内部統制(決算・財務報告プロセスを除く)の評価の検討
第2位:監査計画の策定
第3位:決算・財務報告プロセスに係る内部統制の評価の検討
第4位:内部統制の不備の判断
第5位:内部統制の重要な欠陥の判断
第6位:ITに係る内部統制の評価の検討
第7位:全社的な内部統制の評価の検討
同7位:不備又は重要な欠陥の存在が財務諸表監査に与える影響の検討
第9位:評価範囲の妥当性の検討
第10位:監査人の独立性の検討

この回答結果から分かることは、監査責任者(=監査法人)自身も、内部統制監査1年目は「かなり手探り状態だった」ことが分かります。苦労したポイントとして、第2位が全体スケジュール、また第4位と第5位が最終的な内部統制の実効性の判断になっており、この3つを抜くと、1年間の具体的な監査ポイントの中で、「ITに係る内部統制の評価の検討」を、実質3番目に苦労したポイントに上げていることになります。財務諸表だけでなく、やはり監査法人のIT統制に対する注目度も非常に高いことが分かります。2年目、そして3年目も重要な監査項目です。

いかがでしょうか。2年目の内部統制、課題と対策をご理解いただけたでしょうか。尚、クオリティではIT統制の重要な基盤としてフル活用できる「QAW/QND Plus」をご用意しています。詳細は、クオリティのWebサイトにてご確認ください。

Dr.QがITサプリをお届けしました。
次回も引き続き、「内部統制報告制度、2年目を読み解く」をお届けします。

1月 27, 2010 内部統制報告制度、2年目を読み解く |